2018年11月20日火曜日

「雑損控除」と「災害減免法」


給与所得者は原則、



年末調整を行うため確定申告は不要ですが、



年末調整では対応していない医療費控除や寄附金控除、



雑損控除、住宅ローン控除(初回適用のみ)



などの適用を受ける場合は確定申告をします。



申告の際に必要となる領収書や証明書などを



準備しておきましょう。




◆災害により住宅や家財に損害を受けた場合は




 今年も台風や豪雨、地震などの自然災害により、



各地で甚大な被害が発生しました。



災害によって住宅や家財などに損害を受けた方は、



「雑損控除(所得控除)」又は



「災害減免法(所得税額の軽減免除)」の



どちらか有利な方法を選択することができます。




 なお、被災者が地方公共団体から



義援金の配分を受けた場合でも損失額の計算上、



その金額を補填された金額として控除する必要はありません。




◎雑損控除……



生活に通常必要と認められる住宅や家具、



車両(専ら通勤に使用している場合など)などの資産が



損害を受けた場合に、



「損失額(保険金などの補填される金額を控除)-所得金額の10%」



又は「損失額のうち災害関連支出額(取り壊しや除去費用など)-5万円」



のいずれか多い方を所得金額から控除できます。



その年の所得金額から控除しきれない金額がある場合には、



翌年以後3年間繰り越して控除できます。




◎災害減免法……



災害があった年分の所得金額が1千万円以下の方で、



住宅や家財の損失額が時価の1/2以上の場合に



適用できます。



所得金額により軽減額が異なり、



500万円以下は所得税額を全額免除、



500万円超750万円以下は税額の1/2、



750万円超1千万円以下は税額の1/4を軽減できます。





2018年11月13日火曜日

延長される?教育資金等の贈与税非課税措置

祖父母等が子や孫に対して、



教育資金や結婚・子育て資金を一括贈与した場合、



それぞれ贈与税の非課税措置が設けられています。



現行の適用期限は来年3月末までとなっていますが、



文科省は来年度税制改正で恒久化を要望しており、



延長される可能性があります。




◆塾や習い事の費用も対象となる非課税措置




 教育資金に係る措置は、祖父母等(受贈者の直系尊属)が



30歳未満の子・孫に対して教育資金を一括贈与する場合、



受贈者ごとに1500万円



(塾や習い事など学校等以外に支払う費用は



500万円が限度)まで贈与税を非課税とするもので、



利用するには取扱金融機関で専用口座を開設し、



贈与する資金の預入等を行い管理する必要があります。




 同措置では受贈者が30歳に達した場合などに



契約終了となり、



その時点で教育資金として使われなかった残額は



贈与税の課税対象となります。



ただし、



契約期間中に贈与者が亡くなった場合における残額は



相続財産に加算されません。




◆結婚や子育て資金を1千万円まで非課税に




 結婚・子育て資金に係る措置は、



祖父母等(受贈者の直系尊属)が



20歳以上50歳未満の子・孫に対して



結婚・子育て資金を一括贈与する場合、



受贈者ごとに1千万円



(結婚関係の費用は300万円が限度)まで



非課税とするものです。




 教育資金の措置と同様に、



取扱金融機関で専用口座を開設し、



受贈者が50歳に達した時点での残額は



贈与税の課税対象となります。



なお、



贈与者が亡くなった場合における残額の取扱いは異なり、



相続財産に加算されるため、注意が必要です。





2018年11月5日月曜日

年末調整に関するQ&A


年末調整の時期が近づいてきました。




Q.年末調整の対象者は?




A.「扶養控除等(異動)申告書」を提出しており、



年末まで勤務している方が対象です



(給与総額が2千万円超の方などは除く)。



なお、給与以外の所得がある場合などで



確定申告をする方でも、対象者は年末調整を行います。




Q.年末調整の対象となる給与は?




A.1月から12月までの間に支払うことが確定した給与です



(未払いがある場合でも年末調整の対象)。



また、年の中途で入社した方が、



入社前に別の会社から給与を受け取っていた場合は、



その給与を含めて年末調整をします(前職の源泉徴収票で確認)。




Q.配偶者控除等の適用を受ける場合は?




A.今年から、年末調整において配偶者控除又は



配偶者特別控除の適用を受けるためには



配偶者控除等申告書」の提出が必要です。




Q.扶養控除などの適用は、いつの時点で判定?




A.配偶者や扶養親族が控除対象に該当するかは、



年末調整を行う時点の現況で判断することになります



(その年の12月31日までに異動があった場合は、



年末調整をやり直します)。



なお、年の途中で亡くなった場合は、



その時点で要件を満たしていれば控除を適用できます。




Q.別居している扶養親族等は控除の対象になる?




A.常に生活費や療養費を送金しているなど、



本人と生計を一にしている場合は対象になります。



なお、



国外に居住する親族について



扶養控除等の適用を受けるためには、



当該親族に関する「親族関係書類」及び



「送金関係書類」の提出等が必要です。





2018年10月29日月曜日

軽減税率制度に伴い必要となる対応


◆多くの事業者に区分経理の対応が必要




 来年10月から消費税率10%への引上げとともに、



飲食料品(酒類・外食を除く)などを対象とした



軽減税率制度が実施されます。




 これに伴い、



軽減税率対象品目の売上げや仕入れがある課税事業者は、



複数税率に対応した請求書等



(区分記載請求書等)の交付や、



売上げや仕入れを税率ごとに区分して



帳簿等に記帳することが必要になります。



そのため、軽減税率対象品目の売上げがない事業者でも、



会議費や交際費として飲食料品を購入する場合など、



軽減税率対象品目の仕入れがあれば区分経理の対応が必要です。




 なお、消費税の仕入税額控除の適用には、



区分経理に対応した帳簿及び区分記載請求書等の保存が



要件となります(区分記載請求書等保存方式)。




◆中小事業者に対する税額計算の特例




 軽減税率制度実施後の消費税額の計算は、



基本的に売上げと仕入れを税率ごとに区分して



税額計算を行うことになります。




 ただし、



売上げ又は仕入れを税率ごとに区分することが困難な



中小事業者(前々事業年度における課税売上高が5千万円以下)



に対しては経過措置として、



次のような税額計算の特例が設けられています。 




◎売上税額の計算の特例……



売上げの一定割合を軽減税率の対象売上げとして



売上税額を計算できる。




◎仕入税額の計算の特例……



①仕入れの一定割合を軽減税率の対象仕入れとして、



仕入税額を計算する、



又は②簡易課税制度の届出の特例



(消費税簡易課税制度選択届出書を提出した課税期間から



同制度の適用が可能)を適用できる。





2018年10月22日月曜日

「配偶者控除等申告書」に関するQ&A


配偶者控除又は配偶者特別控除の見直しにより、



今年から給与所得者が年末調整において



配偶者控除等を適用する場合は



「給与所得者の配偶者控除等申告書」を提出する必要があります。




◆Q&A




Q.配偶者控除等申告書の提出が必要となるのは?




A.給与所得者本人の合計所得金額が1千万円以下



(給与所得のみの場合は年収1220万円以下)であり、



生計を一にする配偶者の合計所得金額が123万円以下



(同201万6千円未満)の場合に、



配偶者控除又は配偶者特別控除の適用対象となりますので、



該当する方が年末調整において



配偶者控除等の適用を受けるためには、



配偶者控除等申告書の提出が必要となります。




Q.配偶者控除等申告書は、いつ提出する?




A.その年の最後に給与等の支払を受ける日の前日までに、提出します。




Q.年末調整後、申告書に記載した



配偶者の合計所得金額の見積額と確定額に差が生じ、



適用を受ける控除額に変更がある場合は?




A.その年分の源泉徴収票を交付する時までに、



見積額の異動に関する申出があった場合は、



年末調整の再調整を行うことができます。




Q.申告書にマイナンバーの記載は必要?




A.原則、記載する必要がありますが、



①従業員が申告書の余白に



「給与支払者に提供済みのマイナンバーと相違ない」旨を



記載した上で、



給与支払者が確認した旨を表示している場合や、



②記載すべきマイナンバー、



その他の事項を記載した一定の帳簿を備え付けている場合には、



記載を省略できます。





2018年10月15日月曜日

法人の黒字申告割合は34.2%


◆申告所得金額は8年連続で増加し過去最高




 国税庁が公表した



「平成29事務年度 法人税等の申告事績」によると、



29年度における法人税の申告件数は289万6千件で、



その申告所得金額は過去最高となる70兆7677億円



(前年度比11.5%増)と8年連続で増加し、



申告税額は12兆4730億円(同11.0%増)でした。




 また、申告を行った法人のうち99万件(同4.1%増)



が黒字申告となり、



黒字申告の割合は34.2%(同1.0ポイント増)と



7年連続の上昇となりました。



黒字申告1件当たりの所得金額は7150万円



(同7.1%増)となっています。




 一方、



6割超を占める赤字法人の申告欠損金額は



13兆7101億円(同15.1%増)で、



1件あたりの欠損金額は719万円(同15.3%増)と、



増加しています。




◆欠損金の「繰越控除」と「繰戻還付」




 欠損金が生じた場合に適用できる制度として、



欠損金を繰り越して



翌年度以降に生じた所得金額から控除する「繰越控除」と、



前年度に所得があり法人税を納付していた場合に、



欠損金を前年度に繰り戻すことで法人税の還付を受ける



「繰戻還付」があります。



ただし、



繰戻還付の適用は資本金1億円以下の中小法人等に限られます。




 なお、



「繰越控除」における欠損金の繰越期間は9年でしたが、



30年4月以後に開始する事業年度で生じた欠損金から



10年になります。また、



中小法人等以外については控除額に制限がありますが、



30年4月以後の開始事業年度から所得金額の50%が



控除限度額となります。



2018年10月1日月曜日

29年分の平均給与は432万円


国税庁は「平成29年分民間給与実態統計調査」を公表しました。




◆平均給与は前年比2.5%増で5年連続増加




 調査結果によると、



1年を通じて勤務した給与所得者4945万人



(男性2936万人、女性2009万人、



平均年齢46.0歳、平均勤続年数12.1年)



の平均給与は、前年比2.5%増の432万円となり、



5年連続で増加しました。



男女別では、男性532万円、女性287万円です。




 また、平均給与を事業所規模別にみると、



従事員10人未満の事業所では352万円、



10~29人では415万円、



30人以上では454万円となっています。




 なお、給与所得者の給与階級別分布では、



300万円超400万円以下が867万人



(構成比17.5%)で最も多く、



次いで200万円超300万円以下が781万人



(同15.8%)で、



400万円以下の給与所得者は



合計2733万人と全体の55.2%を占めています。




◆税額の約5割は1千万円超の給与所得者から




 1年を通じて勤務した給与所得者が



源泉徴収により所得税を納税した税額は




9兆7384億円で、



給与総額に占める税額の割合は4.89%でした。



また、給与階級別の税額をみると、



1千万円超の給与所得者は222万人で



全体の4.5%にすぎませんが、



その税額は合計5兆183億円で51.5%を占めます。




 なお、昨年から給与収入が1千万円を超える場合の



給与所得控除額は220万円が上限となっていますが、



32年(2020年)以降は



給与収入850万円超の場合に



195万円が控除額の上限となり、



さらに税負担が増加します



(特別障害者の方や



22歳以下の扶養親族がいる方などは負担調整措置があります)。