◎民法(相続法)の改正……
相続法を見直した改正民法のうち、
①結婚期間20年以上の夫婦間における居住用不動産の贈与等は
原則、遺産の先渡し(特別受益)として取扱わない、
②遺産分割前でも被相続人の預貯金の払戻しを一定範囲で認める、
③遺言などにより遺留分を侵害された相続人は、
侵害額に相当する金銭を請求できる、
④無償で被相続人の介護や看病などを行った相続人以外の親族は、
相続人に対して金銭を請求できる、などが施行されます。
◎教育資金一括贈与に係る非課税措置の見直し……
①23歳以上の受贈者について、
教育資金の範囲から塾や習い事などの費用を除外する、
②教育資金口座に係る契約について、
受贈者が30歳到達時に在学中などの場合は
終了しないことになります。
◎免税販売における「臨時販売場制度」の創設……
既に消費税免税店の許可を受けている事業者は、
期間を定めて設置する臨時販売場での免税販売が可能になります。
◎工業標準化法の改正……
①標準化の対象に新たにデータ、
サービス等を追加し、
「日本工業規格(JIS)」を「日本産業規格(JIS)」に、
法律名を「産業標準化法」に変更する、
②認証を受けずにJISマークの表示をした法人等に対する罰金の上限を1億円に引上げます。
◎不正競争防止法の改正……
ID・パスワード等により管理を施して提供される
一定のデータ(限定提供データ)の不正取得・使用等を不正競争行為とし、
差止請求権等の民事措置を創設します。
◎改正健康増進法の一部施行……
学校や病院、児童福祉施設、行政機関は原則、敷地内禁煙となります。
相続法を約40年ぶりに大幅に見直した民法等の改正が
一部を除き、来月から施行されます。
なお、改正のうち配偶者居住権の創設は来年4月施行、
法務局における自筆証書遺言の保管制度の創設は来年7月10日施行となります。
◆来月から施行となる主な改正内容は
◎婚姻20年以上の夫婦間での居住用不動産の贈与等に関する優遇措置……
結婚期間が20年以上の夫婦間で、
配偶者に対して居住用不動産を生前に贈与等した場合でも、
原則として遺産分割における計算上、
遺産の先渡し(特別受益)がされたものとして取り扱う必要がなくなり、
配偶者はより多くの財産を取得することができます。
◎預貯金の払戻し制度の創設……
被相続人の預貯金について、
相続人は遺産分割が終わる前でも
一定の範囲で預貯金の払戻しを受けることができる制度が設けられます。
これによって、生活費や葬儀費用の支払、
相続債務の弁済などの資金需要に対応できるようになります。
◎遺留分制度の見直し……
被相続人の遺言などにより遺留分
(相続人のうち配偶者や子などが最低限受け取れる遺産の割合)を侵害された相続人は、
遺留分侵害額に相当する金銭を請求することができるようになります。
これによって、不動産などの現物の財産が共有状態になることを回避できます。
◎相続人以外の親族による特別の寄与の制度の創設……
相続人以外の親族(被相続人の子の配偶者など)が、
無償で被相続人の介護や看病などを行った場合には、
相続人に対して金銭の支払を請求することができるようになります。
平成30年分の確定申告状況が公表されました。
◆所得税の確定申告状況
◎所得税の確定申告書の提出状況……
所得税の確定申告書を提出した方は2221万8千人で、
そのうち1305万6千人が還付申告でした。
一方、申告納税額があった方は638万4千人で、
その所得金額は42兆1274億円、
申告納税額は3兆2826億円と4年連続で増加しています。
◎e-Taxの利用状況……
自宅等からe-Taxで申告書を提出した方は
542万5千人で、
そのうち国税庁HPの確定申告書等作成コーナーを利用した方は前年比102%増の124万人となりました。
なお、スマホ申告の利用は36万6千人です。
◎各種控除の適用状況……
医療費控除は759万5千人が適用し、
そのうちセルフメディケーション税制(医療費控除の特例)は2万6千人でした。
また、災害などで資産に損害を受けて雑損控除を適用した方は前年比93%増の4万4千人となっています。
◆贈与税の申告状況
◎贈与税の申告書の提出状況……
贈与税の申告書を提出した49万4千人のうち、
暦年課税(基礎控除110万円)を適用したのは45万1千人、
相続時精算課税は4万2千人でした。
◎暦年課税の申告状況……
暦年課税を適用し、
申告納税額があったのは35万7千人で、
1人当たりの申告納税額は前年比47%増の70万円となりました。
◎住宅取得等資金の非課税措置の申告状況……
直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税措置を適用した方は5万8千人で、
4467億円が非課税の適用を受けました。