◎信用保証制度の拡充等……
*大規模な経済危機や災害発生時の
セーフティネットとして危機関連保証を創設、
*小規模事業者を対象とした特別小口保険と
小口零細企業保証の保証限度額を2千万円に拡充、
*創業5年未満の方などを対象とした
創業関連保証の保証限度額を2千万円に拡充、
*事業承継時に後継者個人が必要とする資金
(株式取得資金等)を信用保証の対象とする
特定経営承継関連保証を創設、
*不況業種を対象としたセーフティネット保証5号の
保証割合を80%に引下げる、などが実施されます。
◎障害者の法定雇用率の引上げ……
障害者雇用義務の対象に精神障害者が加わり、
あわせて民間企業の法定雇用率が
2.2%に引上げられます。
これにより障害者を雇用しなければならない事業主の
範囲は、従業員45.5人以上に拡大します。
◎無期転換ルールによる無期転換申込権の発生……
25年4月1日以降に開始した有期労働契約が
反復更新され通算5年を超えた場合、
労働者に無期転換の申込権が発生します
(申込があった時点の有期契約終了後に無期契約)。
なお、無期転換後の労働条件
(職務内容、賃金、労働時間など)は、
就業規則などで別段の定めがない限り、
直前の有期契約と同じ労働条件となります。
◎国民健康保険の制度改正……
*国保の運営を都道府県が市区町村とともに
担うことになり、
被保険者の資格管理が都道府県単位となるほか、
同一都道府県内の住所異動における高額療養費の
多数回該当
(4回以上該当した場合に自己負担限度額を引下げ)の
通算などが行われます。
*国民健康保険料の賦課限度額が
93万円に引上げられます。
29年分の所得税の確定申告が
3月15日に申告期限を迎えましたが、
亡くなった方に関する確定申告は期限等が異なります。
◆準確定申告は相続開始から4ヵ月以内
所得税の確定申告は、
毎年1月から12月までの1年間の所得について、
翌年の2月16日から3月15日までの間に
申告・納税をすることになっていますが、
申告をする必要がある方が年の中途で亡くなった場合は、
相続人が代わって申告書の提出や
納税の手続きを行うことになります。
この手続を「準確定申告」といい、
相続人は被相続人が亡くなった年の1月1日から
死亡日までの所得について、
相続の開始があったことを知った日の翌日から
4ヵ月以内に申告・納税をします
(申告書は被相続人の納税地の税務署長に提出)。
なお、相続人が複数いる場合は原則、
各相続人が連署により申告書を提出する必要があります。
◆準確定申告が必要となる方は
準確定申告は、
亡くなった全ての方が必要となるわけではなく、
被相続人が確定申告をしなければいけない方
(*給与収入が2千万円超、
*給与所得以外の所得が20万円超、
*公的年金等の収入が400万円超、
*事業所得がある方など)に該当する場合、
申告が必要となります。
また、準確定申告が不要でも、
被相続人が高額の医療費を支払っており
医療費控除を適用できる場合などは申告をすることで
還付が受けられます。
なお、医療費控除や生命保険料控除等の対象となるのは、
亡くなる日までに被相続人が支払った分となります。
◎NISA……
年間120万円を上限に買い付けた上場株式や
株式投資信託、ETF、REITなどの配当や売買益が
最長5年間、非課税となります。
NISA口座内に金融商品を保有したままで
非課税期間が終了した場合は、
翌年の非課税投資枠に移すロールオーバーも可能です
(時価が120万円を超える場合でも全額可能)。
なお、NISA口座は同一年において
1人1口座しか開設できません。
また、他の口座(特定口座など)との損益通算や、
損失を翌年以降に繰り越しすることはできません。
◎つみたてNISA……
年間40万円を上限に買い付けた
一定の投資信託等の配当や売買益が最長20年間、
非課税となります。
投資対象は、
長期の積立・分散投資に適した一定要件を満たす
株式投資信託とETFで、
「1ヵ月に1回」など
定期的に一定金額の買付けを行う積立投資に限られます。
なお、上記のNISAとは選択制であり、
同一年に両方の適用は受けられません。
◎iDeCo(個人型確定拠出年金)……
加入者が自ら運用を行い、
公的年金に上乗せして給付を受け取れる私的年金で、
基本的に60歳未満の全ての方が加入できます。
掛金は、加入者によって異なる限度額
(自営業者は月額6.8万円、
企業年金等がない会社員は月額2.3万円など)
が設けられており、全額所得控除の対象となります。
また、運用益も全額が非課税であり、
受取時も公的年金等控除
(一時金の場合は退職所得控除)が適用できます。
なお、原則60歳まで途中で引き出すことはできません。
29年分の所得税と贈与税の確定申告は3月15日が申告期限となります。
◎期限前に提出した申告書の誤りに気付いた場合……
申告期限内に確定申告書が同じ人から複数提出された場合は
原則、最後に提出された申告書が取り扱われるので、
訂正した申告書を再提出します。
◎期限後に申告書の誤りに気付き、納める税金が多かった又は還付が少なかった場合……
「更正の請求」を行うことで税金が還付されます。
手続は、更正の請求書に必要事項を記入して所轄税務署長に提出します。
なお、更正の請求ができる期間は原則、申告期限から5年以内です。
◎期限後に申告書の誤りに気付き、納める税金が少なかった又は還付が多かった場合……
「修正申告」を行い、正しい税額に訂正して税金を納めます。
手続は、修正申告書に必要事項を記入して所轄税務署長に提出しますが、
新たに納めることになった税金は修正申告書の提出日が納期限となります。
また、延滞税も併せて納付します。
なお、税務署から調査の事前通知を受けた後に修正申告をした場合は、
過少申告加算税がかかります。
◎期限内に申告をしなかった場合……
期限後に申告した場合、
納める税金のほかに無申告加算税
(50万円まで15%、50万円超の部分は20%)
が課されますが、
調査通知前に自主的に期限後申告をした場合は
5%に軽減されます(調査通知後は50万円まで10%、50万円超の部分は15%)。
なお、期限後申告が申告期限から1ヵ月以内に行われ、
期限内申告の意思があったと認められる一定の場合には、
無申告加算税は課されません。