2014年10月27日月曜日

25事務年度における所得税の調査状況



◆59万件から8216億円の申告漏れ
 



国税庁によると、平成25事務年度



(25年7月~26年6月)に実施された



個人の所得税に対する調査は89万9千件行われ、



うち59万件から8216億円の



申告漏れ所得がありました。
 




申告漏れ所得に対する追徴税額は1020億円で、



1件当たり91万円の申告漏れに対して11万円を



追徴しています。
 




なお、実施された調査の9割以上は、



文書や電話、来署依頼による簡易な接触



(83万7千件)ですが、



申告漏れ所得金額の5割以上(4137億円)は



実地調査(6万1千件)により把握されています。





◆海外、ネット取引など、申告における注意点
 




無申告者や海外取引、ネット取引などの調査が



積極的に行われていますので、



申告漏れ等がないように十分注意しましょう。





【海外取引】



海外にある不動産や株式等を



売却して生じた所得は原則、



日本で申告する必要があります。



また、5千万円超の国外財産を保有している場合は、



財産の種類や価額等を記載した国外財産調書の



提出が義務付けられています。





【ネット取引】




給与所得者がネットオークションやアフィリエイトなどで



20万円を超える利益を得た場合は、



雑所得として確定申告が必要です。




【金地金等の譲渡】




金や白金の売却で得た所得の申告漏れが



増加していますが、200万円超の取引は



取扱業者から税務署に支払調書が提出されています。






【ゴルフ会員権の譲渡】




今年度税制改正により、



今年4月以後に売却した場合の損失は、



他の所得との損益通算ができなくなりました。








2014年10月20日月曜日

来月は「下請取引適正化推進月間」



◆「信用は 適正払いの 積み重ね」





毎年11月は「下請取引適正化推進月間」として、




下請代金支払遅延等防止法の




普及・啓発が集中的に行われます




(標語「信用は 適正払いの 積み重ね」)。
 




中小企業庁と公正取引委員会は、



今年4月からの消費税率の引上げに伴い、



転嫁拒否行為に対する大規模な調査や取締りを



行っていますが、事前調査や立入検査において、



下請法上の違反を発見次第、



指導等を実施しています。



消費税転嫁特措法と併せて、



下請法をよく理解しておきましょう。




◆Q&A




Q.下請法の対象となる取引は?



A.親事業者が下請事業者に物品の製造、修理、



情報成果物の作成、又は役務の提供を



委託する場合に適用され、委託事業者の資本金、



受注事業者の資本金等によって



「親事業者」と「下請事業者」を定義しています。




Q.親事業者の義務は?



A.*発注時に書面交付する、



*代金の支払期日を給付の受領後60日以内に定める、



*取引内容を記載した書類を作成し、2年間保存する、



*支払が遅延した場合は遅延利息を支払うことが



   義務となります。





Q.親事業者の禁止行為は?




A.*受領拒否(注文した物品等の受領を拒む)、



*支払遅延(受領後60日以内に定められた



   支払期日までに代金を支払わない)、



減額(あらかじめ定めた代金を減額する)、



買いたたき(類似品等の価格又は市価
   


   比べて著しく低い代金を不当に定める)など、



  11項目の禁止事項があります。








2014年10月14日火曜日

25年度の黒字申告割合は29.1%



◆申告所得金額・申告税額ともに4年連続増加




国税庁が公表した




「平成25事務年度 法人税等の申告事績」よると、




法人税の申告件数は277万1千件(前年度比.%増)で、




その申告所得金額は532780億円(同17.%増)、




申告税額は109403億円(同.%増)となり、




4年連続の増加となりました。





また、申告を行った法人の黒字割合は




29.1%(同1.7%増)と、3年連続で上昇しました。




黒字申告1件当たりの所得金額は




6619万円(同10.9%増)となっています。





一方、赤字申告による欠損金額は




12兆7744億円24.%減で、




1件当たりの欠損金額は650万円(同22.%減)となり、




大幅に減少しています。





なお、26年度改正により課税期間が




1年短縮された復興特別法人税の申告税額は




1兆1846億円(同75.3%増)でした。






◆欠損金の「繰越控除」と「繰戻還付」




欠損金が生じた場合に適用できる制度には、




翌年度以降に生じた所得から控除できる




「繰越控除」と、前年度に所得があり法人税を




納付していた場合に、その所得と相殺して




納付した法人税の還付を受ける「繰戻還付」があります。





ただし、繰戻還付の適用は資本金1億円以下の




中小法人等に限られます。






なお、繰越控除を適用した場合は、




欠損金を翌年度以降9年間




(20年4月前に終了した事業年度で生じた欠損金は7年)




繰り越すことができ、繰越期間中に生じた




所得金額から控除できますが、




中小法人等以外の法人については




控除できる額に制限があり、




所得金額の80%が限度となります。











2014年10月6日月曜日

来年から緩和等される事業承継税制



来年から事業承継税制が要件緩和などにより、



使い勝手がよくなります。




◆使い勝手がよくなる事業承継税制



事業承継税制は、後継者が先代経営者から



相続または贈与により非上場株式を取得した場合、



一定の要件を満たせば、相続税は80%、



贈与税は全額を納税猶予する制度です。



(議決権総数の2/3までの部分が対象)




現行では、相続・贈与後に雇用の8割以上を



5年間毎年維持するなどの厳しい要件がありますが、



適用要件の緩和や手続の簡素化などが行われ、



27年1月以後の相続又は贈与について適用されます。
 



なお、制度を利用する際の経済産業大臣の



「事前確認」は、25年4月から廃止されています。




◆主な見直し項目




◎雇用維持要件の緩和




【現行】贈与・相続開始時の雇用の8割以上を



「5年間毎年」維持 ⇒【27年以降】



贈与・相続開始時の雇用の8割以上を「5年間平均」で維持




◎親族外承継の対象化




【現行】後継者は先代経営者の親族に限定 



27年以降】親族外承継も適用対象




◎役員退任要件の緩和



【現行】先代経営者は贈与時に役員を退任 



⇒【27年以降】贈与時に代表権を有していないこと



(有給役員として残留可)




◎納税猶予の打ち切りに係る利子税の負担軽減




【現行】納税猶予額に加え利子税の支払いが必要  



【27年以降】納税猶予期間が5年を超える場合、



5年間の利子税を免除