◆非居住者への贈与等にも適用
今年度税制改正において創設された
国外転出時課税制度が、7月1日から適用されます。
同制度は、1億円以上の有価証券などの
対象資産を所有等している一定の方が
7月1日以後に国外転出
(国内に住所又は居所を有しないことになること)を
する場合に、対象資産の譲渡等が
あったものとみなして、含み益に所得税を
課税する制度です。
また、対象者が国外転出を行う場合だけではなく、
国外に居住する親族等(非居住者)に対して
対象資産の贈与または相続等が行われた場合にも、
その対象資産の含み益に所得税が課税されます。
◆具体的な対象者や対象資産などは
具体的な対象者は、
*国外転出、贈与または相続開始の時に
対象資産を1億円以上所有等していること、
*国外転出、贈与または
相続開始の日前10年以内において、
国内に5年を超えて住所又は居所を有していること、
に該当する方です。
対象資産については、
有価証券、匿名組合契約の出資の持分、
未決済の信用取引・発行日取引・
デリバティブ取引が該当し、
含み益の有無にかかわらず、
全ての対象資産の価額の合計額で
1億円以上となるかどうかを判定します。
同制度の適用対象となる場合は、
所得税の確定申告等の手続を
行う必要があります(相続等の場合は相続人)。
また、一定要件の下、
納税猶予制度や税額の減額措置を
受けることができます。
なお、国外転出等の日から5年以内に
帰国した場合に、
引き続き所有等している対象資産は、
課税の取消しができます。