◎個人事業者の事業承継税制(納税猶予)の創設……
個人事業者が事業(不動産貸付事業等を除く)
の用に供していた土地、建物及び一定の減価償却資産を、
後継者(承継計画や経営承継円滑化法の認定が必要)が
相続又は贈与により取得し、事業を継続する場合は、
担保の提供を条件に相続税又は贈与税の納税が猶予されます。
なお、
特定事業用宅地等に係る小規模宅地等の特例との併用はできません。
31年(2019年)1月以後の相続又は贈与に適用。
◎特定事業用宅地等に係る小規模宅地等の特例の見直し……
被相続人等の事業(貸付事業を除く)
の用に供していた宅地等を相続等で取得し、
事業を引き継ぐなどの要件を満たす場合に、
400㎡まで相続税評価額を80%減額する特例の対象から、
「相続開始前3年以内に事業の用に供された宅地等
(一定の場合を除く)」が除外となります。
31年4月以後の相続等に適用
(ただし、同日前から事業の用に供していた宅地等には適用しない)。
◎防災・減災設備投資減税の創設……
中小企業等経営強化法の改正を前提に、
事業継続力強化計画(仮称)に基づき一定の
防災・減災設備を取得等した場合は、
取得価額の20%の特別償却ができます。
経営強化法の改正の施行日以後に適用。
◎商業・サービス業・農林水産業活性化税制の見直し……
経営改善により売上高又は
営業利益が年2%以上向上することについて、
認定経営革新等支援機関等の確認を受けることが
適用要件に加えられます。
31年4月以後に適用(経過措置あり)。
◎その他……
*研究開発税制の見直し、
*外国人旅行者向け消費税免税制度の拡充、など。
本日、第197回臨時国会が閉会します。
成立した主な改正法等は次のとおりです。
◎入管法等の改正……
人材確保が困難な業種における
外国人労働者の受入れ拡大を図るため、
新たな在留資格「特定技能」を創設します。
「特定技能1号」は
相当程度の知識又は経験を必要とする技能を持つ
外国人が対象となり、
在留期間は最長5年で、家族帯同は原則できません。
「特定技能2号」は
熟練した技能を持つ外国人が対象となり、
在留期間は更新可能で、家族帯同も認められます。
また、
法務省の外局として「出入国在留管理庁」を新設します。
一部を除き、31年(2019年)4月に施行。
◎水道法の改正……
水道事業の経営基盤の強化を図るため、
自治体が水道施設を所有したまま
運営権を民間事業者に設定できる
「コンセッション方式」を導入できるようにします。
また、
複数の自治体間の広域的な連携を推進するための措置が
講じられます。一部を除き、公布日から1年以内に施行。
◎入場券不正転売禁止法の創設……
スポーツや音楽などの興行に関する
チケットの不正転売を防止するため、
転売を禁止する旨が明示され、
販売時に本人確認を行っているなどの
要件を満たすチケットを対象に、
営利目的での転売を禁止し、罰則
(1年以下の懲役又は100万円以下の罰金)が
設けられました。
公布日から6ヵ月経過した日から施行。
◎新天皇の即位に関する祝日……
来年に限り、新天皇が即位される5月1日と、
「即位礼正殿の儀」が行われる
10月22日を祝日にします。
祝日に挟まれた日を休日とする祝日法の規定により、
来年のゴールデンウイークは10連休になります。
来年1月から、e-Tax利用の簡便化が実施され、
個人納税者の方は「マイナンバーカード方式」と
「ID・パスワード方式」の2つの方式で
e-Taxを利用できるようになります。
◆Q&A
Q.マイナンバーカード方式とは?
A.マイナンバーカードとICカードリーダライタを利用して、
e-Taxへログインするだけで、
e-Taxを開始できます。
利用するための申請書などは不要です。
なお、e-Taxにログインする際や
申告等データに電子署名を行う際に、
マイナンバーカードのパスワードが必要となります。
Q.ID・パスワード方式とは?
A.マイナンバーカードや
ICカードリーダライタを持っていない場合でも、
e-Tax用のIDとパスワードを利用して、
国税庁HPの「確定申告書等作成コーナー」から
e-Taxによる送信ができます。
IDとパスワードは、
税務署で職員と対面による本人確認を行った上で、
発行されます。
Q.来年1月以降、従来の方法でe-Taxはできる?
A.利用者識別番号や電子証明書を使った従来の方法も、
引き続きe-Taxによる電子申告ができます。
Q.スマートフォンからe-Taxは利用できる?
A.来年1月から、スマートフォンでも国税庁HP上の
「確定申告書等作成コーナー」で、
所得税の確定申告書の作成ができるようになり、
ID・パスワード方式を利用して
e-Taxによる電子申告ができます。
また、給与所得者(年末調整済み)で、
医療費控除又は寄附金控除を適用して申告する方は、
「スマホ専用画面」を利用できます。