2013年12月17日火曜日

平成26年度税制改正大綱(主な個人関連)



自民・公明両党は26年度税制改正大綱を決定しました。個人に影響がある改正案は以下の通りです。


◎給与所得控除の上限引下げ……28年に給与収入1200万円超の控除額は230万円が上限に、29年からは1000万円超の控除上限額が220万円になる(現行は1500万円超で245万円が上限)。


NISA口座の制度変更……27年以後、非課税口座を開設する金融機関を毎年変更できる(現行は最長4年間、変更できない)。


ゴルフ会員権等の譲渡損失の損益通算廃止……ゴルフ会員権等の譲渡損失について、26年4月以後に行う譲渡から他の所得との損益通算ができない。


◎車体課税の見直し

*自動車重量税……26年4月以後、エコカー減税で初回車検時に重量税が免除された車は、次回も免除する。また、一定の経年車は税率を引上げる。

*自動車取得税……26年4月以後、22年度燃費基準を満たす車の税率を引下げ、自家用車の場合は3%(現行5%)にする。また、エコカー減税における軽減割合を拡充する。なお、取得税は消費税率10%引上げ時(27年10月予定)に廃止。

*自動車税……環境性能が優れた車は軽減し、一定の経年車は重くする
措置の対象や税率を見直す。

*軽自動車税……27年4月以後に取得する新車の税率を引上げ、自家用車の場合は10800円(現行7200円)にするとともに、13年が経過した車の税率を28年度から引上げる。また、原付・二輪車の税率を27年度から約1.5倍に引上げる。

◎消費税の軽減税率……消費税率10%時に導入する(具体的な実施時期などは来年中に決める)。







2013年12月10日火曜日

経営者保証に関するガイドラインについて


◆保証契約時や履行時における対応を規定


中小企業経営者による個人保証(経営者保証)は、

資金調達における信用補完の手段となっている一方、

思い切った事業展開や経営不振に陥った際の早期の事業再生を

阻害する要因などになっています。

日本商工会議所及び全国銀行協会は、保証契約時や

履行時等における課題への対応の準則として

「経営者保証に関するガイドライン」を策定・公表しました
(来年2月から適用)


本ガイドラインでは、例えば以下のような対応が規定

されています(法的拘束力はありません)


◎経営者保証を契約する際の金融機関の対応

保証契約の必要性などを説明する、保証金額は、

形式的に融資額と同額とはせず、保証人の資産状況などを

勘案して設定する、履行請求額は、一定の基準日

(期限の益を喪失した日等)以降に発生する保証人の

収入を含まないった対応を契約に規定すること等に努める。


◎経営者保証を提供しない場合に必要な経営状況

*経理や資産所有等について法人と経営者の関係を明確に

区分・分離する、*財務状況及び経営成績の改善により

信用力を強化する、*正確・丁寧に信頼性の高い情報を

開示・説明し、経営の透明性を確保する等に努める。


◎保証債務の履行基準(残存資産の範囲)

ガイドラインに基づく債務整理において、経営者(保証人)が

事業継続や事業清算後の新事業開始等のため、

一定期間の生計費に相当する現預金や、華美でない自宅

(自宅兼事務所など)等を残存資産に含めることを希望する

場合は、柔軟に検討する。







2013年12月2日月曜日

売掛金の回収・管理を徹底しましょう


◆売上だけではなく売掛金の回収も意識


企業にとって売上を伸ばすことは重要ですが、商品の代金を

回収できなければ意味がありません。


売掛金の回収期間が長くなれば、仕入先などへの支払いが

厳しくなり、資金繰りの悪化に繋がります。

また、回収できなければ商品の代金だけではなく、

売るまでのコストも損失となるため、その分を取り戻すには

同じ商品を何倍も売らなくてはなりません。


事業を継続するためには、売上だけではなく、売掛金の回収・

管理が重要であることを従業員も意識することが必要です。
 

なお、取引先の倒産など一定の事実によって回収不能と

なった場合は、貸倒損失として、税務上、損金又は必要経費

として取り扱われます
(回収不能に至った根拠となる証拠書類などを残すことが重要)



◆売掛金の時効が迫っている場合は

支払いが滞っている取引先に対しては、まず話し合いで原因を

把握し、状況に応じて解決を図る(分割払いを認めるなど)

ことが大切です。


長期間滞っている売掛金がある場合は、時効

(商品代金は2年間)に注意します。時効は、裁判上の

請求(訴訟や支払督促など)や、

承認(一部を支払う、残高確認書をもらうなど相手が

債務を認める)などにより中断され、新たに時効が始まります。


また、時効が迫っている場合は、支払いの請求(催告)を

することで時効を6ヵ月延ばすことができます
(証拠を残すには内容証明郵便を利用

ただし、催告により延長できるのは一度だけで、その間に

裁判上の請求などを行わなければ時効は中断しません。



なお、時効が過ぎている場合でも、時効を主張されなければ

権利は消滅しません。









2013年11月25日月曜日

上場株式等を売却した際の注意点

今年で上場株式等の配当・譲渡益等に対する10の軽減税率が終了し、来年からは20%になるとともに、NISA(少額投資非課税制度)が始まります。

◆来年から譲渡益等への課税は20%に

昨年末から株価が大幅に上昇したことで、今年中に含み益がある保有株の売却を検討している方も多いと思います(既に保有している株式等をNISA口座に移すことはできません)。

 
特定口座(源泉徴収あり)を利用している場合は原則、確定申告をする必要はありませんが、譲渡損失の繰越控除や、複数の口座間で損益通算する場合は、確定申告をする必要があります。

 
なお、NISAでは、専用口座内の上場株式や株式投信など(投資額は年間100万円が上限)による配当や譲渡益が非課税となる一方、譲渡損失はないものとされるため、損失の繰越控除や他の口座との損益通算はできません。

◆確定申告をした場合「合計所得金額」に影響

特定口座(源泉徴収あり)で確定申告しない場合は、譲渡益等がいくらであっても「合計所得金額」に含まれません。一方、繰越控除の適用などで確定申告をした場合は、譲渡益等が「合計所得金額」に含まれるため、配偶者控除(合計所得38万円以下)や、住宅ローン控除(同3千万円以下)、住宅資金贈与の非課税措置(同2千万円以下)などの適用に影響が出る可能性があります。

例えば、配偶者が今年の利益80万円から繰越損失50万円を控除した場合、利益は30万円ですが、合計所得金額には繰越控除前の80万円が加算されるため、配偶者控除の適用は受けられません。







 

2013年11月18日月曜日

知っておきたい広告などの表示ルール

◆優良・有利であると誤認する不当な表示とは

 
年末・年始商戦の時期が近づいていますが、
セールなど行う場合は広告や価格表示が
不当な表示に該当しないように景品表示法のガイドラインなどを
確認しておきましょう。

 
同法では、商品・サービスの品質や価格について、
実際よりも著しく優良又は有利であると
消費者が誤認するような表示を禁止しており、
例えば以下のような表示が不当表示に該当します。


「当店通常価格○○○円 販売価格○○○円」と表示しているが、通常価格で販売した実績がない



*「○日間限りの特価」と表示しているが、
その期間に限らず販売されている価格である


*表示価格で購入するには一定の条件が必要だが、
その条件を明示していない など



◆二重価格表示を行う場合の注意点は
 

価格表示では、過去の販売価格を比較対照とした
二重価格表示がよく使われていますが、
比較対照として用いる過去の販売価格が
「最近相当期間にわたって販売されていた価格」であれば、
不当表示に該当することはありません。
 

この「最近相当期間」とは、過去8週間のうち4週間以上

(販売開始から8週間未満の場合は、販売期間の過半かつ2週間以上)の販売実績があり、

実際にその価格で販売した最後の日から

2週間以内であることです。
 

なお、来年4月からの消費税率引上げに伴い、

「消費税は当店が負担します」や

「消費税率上昇分値引きします」、

「消費税相当分、ポイントを付与します」

などの広告・宣伝表示は禁止となります。