2014年6月30日月曜日

今国会で改正された主な法律は


今月22日に閉会した通常国会(第186回)で、



4月以降に成立した主な法律は以下のとおりです。



◆4月以降に成立した主な法律



◎会社法の改正……*監査等委員会設置会社制度の創設、


社外取締役・社外監査役の要件の見直し、


多重代表訴訟制度の創設、


特別支配株主の株式等売渡請求制度の創設など。


施行日は公布日(26年6月27日)から1年6ヵ月以内。



◎パートタイム労働法の改正……


正社員との差別的取扱いが禁止される


短時間労働者の対象範囲を拡大、


短時間労働者を雇い入れる際、事業主に


雇用管理の改善措置について説明を義務付けるなど。


施行日は公布日(26年4月23日)から1年以内。



◎労働安全衛生法の改正……


労働者の心理的な負担を把握するため、


医師などによるストレスチェックの実施を義務付ける


従業員50人未満は当分の間、努力義務)など。


施行日は公布日(26年6月25日)から


それぞれ6ヵ月~2年以内。



◎著作権法の改正……紙媒体による出版のみを


対象としている現行の出版権制度を見直し、


電子書籍も対象とするなど。


施行日は平成27年1月1日。



◎国民年金法等の改正……*国民年金保険料の


納付猶予制度の対象者を50歳未満に拡大(28年7月施行)


*現行の後納制度に代わり、過去5年分を納付できる制度を


創設(27年10月施行)など。




◎国民投票法の改正……憲法改正に必要な


国民投票の投票権年齢を18歳以上


(法施行後4年間は20歳以上)に引下げるなど。


26年6月20日に施行。









2014年6月23日月曜日

求人における年齢制限は原則禁止


厚労省が発表する有効求人倍率は、


4月が.08倍となり17ヵ月連続で改善し、


6ヵ月連続で1倍を超えました。



◆募集・採用での年齢制限は原則禁止



求人を行う場合、「40歳以下の方を募集」


といった年齢制限をすることは、


雇用対策法により原則として禁止されているため、


職務に必要な適性や能力等をできる限り具体的に


明示することが求める人材を雇用するポイントになります。



この年齢制限の禁止は、ハローワークや


民間の職業紹介事業者、求人広告、事業主が


直接募集・採用する場合などに適用されます。



ただし、例外的に年齢制限を行うことが


認められる場合もあります。



◆年齢制限が認められる例外事由



以下のような例外事由に該当する場合は、


年齢制限を行うことが認められます。



◎定年年齢を上限とし、期間の定めがない


労働契約をする場合。



◎労働基準法等の法令により、特定年齢層の就業が


禁止・制限されている業務の場合(警備業など)。



◎長期勤続によるキャリア形成の観点から、


若年者等を期間の定めのない労働契約の


対象とする場合


(職業経験の不問、新卒者と同等の処遇が要件)。



◎技能・ノウハウの継承の観点から、


特定の職種において労働者数が相当程度少ない


特定の年齢層に限定し、期間の定めがない


労働契約をする場合。



◎芸術・芸能の分野において、表現の真実性等の


ために特定の年齢層が必要な場合。




◎60歳以上の高年齢者または特定の年齢層の


雇用を促進する国の施策の対象者に限定する場合。








2014年6月16日月曜日

教育資金贈与、1年間で4500億円に


◆1件あたり約667万円の贈与



昨年4月に「教育資金の一括贈与に係る贈与税の


非課税措置」がスタートしましたが、信託協会によると、



加盟する信託銀行で取扱う教育資金贈与信託は


今年3月末までの1年間で、契約数が67073件、


信託財産設定額は4476億円となったようです。
 


この制度は、祖父母等(受贈者の直系尊属)が


孫等(30歳未満)に対して教育資金を一括贈与する場合、


受贈者ごとに1500万円(学校等以外に支払われる


金額は500万円)まで贈与税を非課税とする措置で、


利用するには取扱金融機関で開設した専用口座に


贈与する教育資金の預入等を行い、管理する必要があります。
 


なお、27年末までに行う贈与が対象となります。



◆Q&A



Q.どのような費用が非課税の対象?


A.入学金や授業料など学校等に直接支払う費用は


1500万円まで、塾や習い事など学校等以外に


支払う費用は500万円まで、贈与税が非課税となります。


なお、教育資金として支出したことを証明する領収書等を


金融機関に提出する必要があります。



Q.口座契約はどうなったら終了する?


A.*受贈者が30歳に達する、*受贈者が亡くなる、


*残高がゼロになり、契約を終了させる合意がある、


のいずれかに該当した場合に終了します。



Q.口座契約終了時に残額がある場合は?



A.教育資金支出額を控除した残額


(残高+教育資金に該当しない支出額)がある場合は、


契約終了時点でその残額の贈与があったものとして


贈与税が課税されます(受贈者が亡くなった場合は除く)。








2014年6月9日月曜日

経営者保証によらない融資の取組事例



◆経営者保証を提供しない場合の経営状況は



中小企業経営者の個人保証に依存しない融資を


促進させるため、経営者保証に関する契約時及び


履行時等における中小企業、経営者及び金融機関の


対応についての自主的ルールとして、


「経営者保証に関するガイドライン」が策定され、


今年2月から適用されています。
 


本ガイドラインでは、経営者保証を提供しない資金調達を


希望する場合に必要な経営状況として、



①経理や資産所有等について法人と経営者の関係を


明確に区分・分離すること、



②財務状況及び経営成績の改善により信用力を強化すること、



③正確・丁寧に信頼性の高い情報を開示・説明し、


経営の透明性を確保する等に努めることが求められています。



◆ガイドラインを活用した金融機関の取組事例



金融庁が公表した「経営者保証に関するガイドラインの


活用に係る参考事例集」では、金融機関における


取組みが紹介されており、例えば、経営者保証を


求めなかった事例として次のような経営状況が


挙げられています。



①「中小企業の会計に関する基本要領」に則った


計算書類を作成し、法人と経営者の間に資金の貸借はなく、


役員報酬も適正な金額となっているなど、


資産・経理が明確に区分・分離されている。



②収益力で借入金の返済が十分可能であり、


また、借換資金の調達余力にも問題がない。




情報開示の必要性にも十分な理解を示し、


適時適切に試算表や資金繰り表により財務情報等を


提供しており、長年の取引の中で良好な


リレーションシップが構築されている。








2014年6月3日火曜日

25年分所得税・贈与税の確定申告状況


◆所得税の申告状況



国税庁が公表した平成25年分の確定申告状況によると、


所得税の確定申告書を提出した方は2143万4千人


(前年比0.4%減)で、そのうち申告納税額が


あったのは621万8千人(同.%増)、


還付申告は1240万3千人(同.%減)でした。
 


昨年は、経済対策や金融緩和などにより株式相場が


上昇したことから、株式等の譲渡所得を


申告した109万8千人(同11.6%増)のうち、


所得金額があった方は66万1千人(同189.1%増)、


その所得金額は4兆8357億円(同238.0%増)となり、


大幅に増加しています。
 


なお、確定申告の義務がない方の還付申告は、


5年間行うことができます(25年分は30年末まで)。



◆贈与税の申告状況
 


贈与税の申告書を提出した方は49万1千人


(前年比12.6%増)で、そのうち暦年課税


(110万円の基礎控除)を適用したのは


43万9千人(同12.4%増)、


相続時精算課税は5万2千人(同13.6%増)でした。
 



また、住宅取得等資金の非課税制度については、


7万5千人(同18.5%増)が適用し、


5767億円(同1.1%増)が非課税となっています



なお、26年中は一般住宅500万、


省エネ・耐震住宅1000万円(震災被災者は異なる)まで、


住宅取得資金の贈与が非課税となります


(同制度は26年までの措置となっていますが


延長される可能性があります)。

 


来年から相続税の基礎控除引下げなどが


始まりますので、贈与税の基礎控除や非課税制度を


活用した生前贈与が有効な対策となります。