2014年5月26日月曜日

食品なども外国人向け免税販売の対象に


昨年、日本を訪れた外国人旅行者が初めて


年間1千万人を超え、今年は昨年を大幅に上回るペースで


推移しており、外国人旅行者向け消費税免税制度の


改正によって各地域の特産品などの販売増加が


期待されています。



◆10月から食品などの消耗品も免税対象に



同制度は、外国人旅行者などに対して、


免税店(輸出物品販売場)が通常生活で使用する物品を


一定の方法で販売する場合に、消費税が免除される制度です。


現行は、家電や装飾品、衣類など消耗品以外のもので、


1万円超(1人1日1店舗あたりの合計額)の購入が


免税対象となっています。
 


26年度税制改正により、対象品目が拡大され、


今年10月から食品類、飲料類、薬品類、化粧品類などの


消耗品も免税販売の対象になります。



◆消耗品を免税販売する場合の要件は



 新たに対象となる消耗品は、5千円超50万円以下


1人1日1店舗あたりの合計額)の購入が免税対象となり、


次の方法で販売する必要があります。



①購入者のパスポート等に購入記録票


(免税物品の購入の事実を記載した書類)の貼り付けて、


割印をすること。



②購入者から「消耗品を購入した日から30日以内に


輸出する旨を誓約する書類」の提出を受けること。



③指定された方法により包装されていること


(袋または箱による包装で、開封した場合に開封したことが


わかるシールで封印することなど)。
 


なお、免税店を開設するには、販売場ごとに


事業者の納税地を所轄する税務署長の許可


受ける必要があります(一定の条件あり)。










2014年5月19日月曜日

簡易課税制度の基礎と改正について



◆簡易課税制度の基礎と注意点
 


消費税の納税額は原則、課税売上げに係る消費税額から、


課税仕入れ等に係る消費税額を控除した金額となりますが、


前々事業年度の課税売上高が5千万円以下の場合は、


簡易課税制度を適用することができます


(適用する課税期間の前日までに届出書の提出が必要)
 


簡易課税制度は、売上に係る消費税額に


事業区分ごとに定められたみなし仕入率


(小売業80%、サービス業50%など)を乗じた金額が


仕入れ等に係る消費税額となるため、簡便的に納税額を


計算することができる制度ですが、同制度を


選択した場合は、2年間以上の適用が必要となります。
 


また、多額の設備投資などを行い、


原則課税で計算すれば還付が受けられる場合でも、


簡易課税では受けられないことなどに注意しましょう。



◆みなし仕入率の改正と経過措置



26年度改正では、簡易課税のみなし仕入率について、


金融業・保険業を50%(現行60%)、


不動産業を40%(現行50%)とする改正が行われ、


27年4月以後に開始する課税期間から適用されます。
 


この改正には経過措置があり、26年9月30日までに


「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出していれば、


届出書に記載した「適用開始課税期間」の


初日から2年間に開始する課税期間


(簡易課税を適用しなければいけない期間)については、


改正前のみなし仕入率が適用されます。
 


例えば、3月末決算の不動産業者が26年9月30日に


届出書を提出した場合、27年4月~29年3月までの


2年間は、みなし仕入率が50%となります。










2014年5月13日火曜日

役員給与を改定する場合は




◆役員給与を全額損金算入するには




役員給与を全額損金に算入するためには原則、定期同額給与



(支給時期が1ヵ月以下の一定期間毎で、その事業年度中の



支給額が同額)であることが要件となっており、



支給額を改定する場合は、通常、決算後3ヵ月以内に開催する



株主総会の決議により改定する必要があります。
 



事業年度の中途で、利益調整目的や一時的な



資金繰りなどのために役員給与を改定した場合は、



損金不算入となる金額が生じることになりますが、



「経営の状況が著しく悪化したことその他これに類する理由



(業績悪化改定事由)」や「職制上の地位の変更、



職務の内容の重大な変更その他これらに類するやむを得ない



事情(臨時改定事由)」などの事由による減額改定については、



全額損金算入できます。




◆業績悪化改定事由には客観的な事情が必要
 



「業績悪化改定事由」とは、



財務諸表の数値が相当程度悪化した場合、



第三者の利害関係者(株主、債権者、取引先等)との


関係上、減額せざるを得ない事情が生じている場合、



現状では売上などの数値的指標が悪化しているとは



言えないが、客観的な状況(主要な得意先が手形の不渡りを



出したなど)から、今後著しく悪化することが



避けられない場合など、客観的な事情があれば該当します。



なお、法人税率は近年引下げ傾向にある一方、



昨年から給与所得控除額に上限



1500万円超は245万円)が設けられ、



28年には1200万円超で230万円、



29年以降は1000万円超で220万円が上限額になるなど、



所得税が増税されることも考慮して役員給与を決めましょう。










2014年4月28日月曜日

NISAに係る制度改正について



今年からNISA(少額投資非課税制度)がスタートしましたが、


26年度税制改正により使い勝手が改善されます。



◆来年から1年毎に金融機関の変更が可能に


NISAは、専用口座内で年間100万円を上限に


購入した上場株式や株式投信等による売買益や配当などが


非課税となる制度です(非課税期間は5年)。
 

NISA口座を開設する場合、現行は勘定設定期間


(①26年~29年、②30年~33年、③34年~35年)ごとに


1つの金融機関に限られているため、


最長4年間は他の金融機関に変更・開設できないことに


なっていますが、改正により1年毎に口座を


開設する金融機関を変更することが可能になります。
 

また、NISA口座を廃止した場合についても、


同一の勘定設定期間内に口座を再開設することが


できるようになります。


 これらの改正は、27年から適用されます。



◆NISA口座で損失がある場合の留意点


NISA口座では、売買益や配当などが非課税となる一方で、


損失が生じた場合はなかったものとされるため、


特定口座などで保有する上場株式等の


売買益や配当金等との損益通算や、


繰越控除は適用できません。



また、5年間の非課税期間の終了後に、


上場株式等を特定口座などの課税口座に移管した場合、


その時点での時価が取得価額となります。


例えば、100万円で購入し50万円に値下がりした株式を


特定口座に移管した場合、取得価額は50万円となるため、


移管後に株価が回復し100万円で売却すれば、


50万円の利益が生じたことになり、課税されます。












2014年4月21日月曜日

マイホームを買換えた場合の課税特例



マイホームを買換えた場合は、売却したマイホームの


譲渡損や譲渡益に対する課税の特例があり、


平成26年度税制改正により2年延長されました(27年末まで)。



◆譲渡損失がある場合の特例
 


マイホーム(所有期間5年超)の売却により譲渡損失が


生じた場合で、一定要件(買換えるマイホームに10年以上


住宅ローンがあるなど)を満たせば、


その譲渡損失を給与所得や事業所得など他の所得と


損益通算することができます。


また、損益通算により控除しきれない金額がある場合には、


翌年以後3年間繰越控除ができます。


ただし、合計所得金額が3千万円を超える年分は


適用できません



なお、同特例と住宅ローン減税は併用することができます。


◆譲渡益がある場合の特例


マイホーム(居住期間10年以上、所有期間10年超)の


売却により譲渡益が生じた場合は、


一定要件を満たせば、買い換えたマイホームを


売却するときまで譲渡益に対する課税を


繰り延べる特例制度があります


(譲渡額が買換えるマイホームの取得額以上の場合、


差額分は譲渡所得として課税対象)


同特例の適用要件には譲渡価額に係る要件がありますが、


今回の改正により1億円以下(従来は1億5千万円以下)に


引下げられ、26年1月以後の譲渡から適用されます。


なお、同特例以外にも譲渡益が生じた場合に


適用できる制度として、3千万円の特別控除と


軽減税率特例がありますが、重複適用はできません。









2014年4月14日月曜日

24年度の赤字法人割合は70.3%


◆欠損(赤字)法人の割合は前年度から微減


 国税庁が公表した「平成24年度分法人企業の実態


(会社標本調査)」によると、252万5984社


(連結子法人9288社を除く)のうち、


177万6253社が欠損(赤字)法人となり、


その割合は前年度分から2.0ポイント減少し、70.3%でした。
 


一方、営業収入金額は1386兆1038億円


(前年度比8.7%増)で、このうち利益計上法人の


営業収入金額は1018兆1159億円(同32.7%増)、


所得金額は40兆7636億円(同20.1%増)と


大幅に増加しています。
 


また、交際費等の支出額は、2兆9010億円(同0.8%増)と


6年ぶりに増加し、支出額のうち税法上損金に


算入されない金額は1兆1469億円で、


損金不算入割合は39.5%でした。



◆交際費等の損金算入の取り扱い
 

交際費等については、資本金1億円以下の中小法人の場合、


年間800万円まで損金算入できる特例措置が


設けられています。また、法人の規模を問わず


1人当たり5千円以下の飲食費は交際費等から


除外されており、損金算入できます


(店名や参加者名、参加人数などの記載が必要)。



 なお、26年度税制改正により、


接待飲食費(社内接待費は除く)の50%が


損金算入できるようになり、26年4月以後に


開始する事業年度から適用されます


(中小法人は特例措置との選択適用)。



ただし、5千円基準と同様に一定の記載事が必要です。




★振替納税をご利用の方、所得税は4月22日(火)、


個人消費税は4月24日(木)が振替日です。


念のため預貯金残高をお確かめください。










2014年4月7日月曜日

4月から開始された制度等(税制、年金以外)


◎日本公庫による融資制度の拡充



*マル経融資(経営改善貸付)、生活衛生改善貸付……


融資限度額を2千万円に拡充します。


*海外展開資金……


クールジャパンの推進に資する事業を行う場合、


貸付利率を引下げます。


*教育一般貸付(国の教育ローン)……


融資限度額を350万円(海外留学は450万円)に拡充します。



◎小規模企業共済制度の加入対象の拡大……


小規模企業の範囲変更に伴い、宿泊業又は娯楽業は


従業員20名以下(従来は5名以下)が加入対象となります。



◎中小企業等に対する特許料等の軽減……


国内出願に係る審査請求料・特許料、国際出願に係る


手数料(調査・送付・予備審査)が1/3に軽減されます。



◎「WindowsXP」と「Office2003」のサポート終了……


4月9日にサポートが終了し、セキュリティ更新プログラムが


提供されません。



◎すまい給付金制度の実施……


消費税率8%で住宅を取得した方について、


収入が一定以下の場合は、10~30万円の給付金が


支給されます。



◎太陽光発電の固定買取価格引下げ……


26年度の新規参入者向け買取価格(1kWh当たり)は、


非住宅用(10kW以上)が32円+税、


住宅用(10kW未満)が37円になります。



◎脱法ドラッグの所持・使用等の禁止……


指定薬物を含む脱法ドラッグ


(合法ハーブなどと称される薬物)の所持や使用、


購入なども禁止となり、3年以下の懲役


又は300万円以下の罰金となります。




◎特定不妊治療に関する助成制度の見直し……


治療開始が40歳未満の方は、


年間助成回数と通算助成期間の限度が廃止されます


(通算助成回数は6回)。