◆役員給与を全額損金算入するには
役員給与を全額損金に算入するためには原則、定期同額給与
(支給時期が1ヵ月以下の一定期間毎で、その事業年度中の
支給額が同額)であることが要件となっており、
支給額を改定する場合は、通常、決算後3ヵ月以内に開催する
株主総会の決議により改定する必要があります。
事業年度の中途で、利益調整目的や一時的な
資金繰りなどのために役員給与を改定した場合は、
損金不算入となる金額が生じることになりますが、
「経営の状況が著しく悪化したことその他これに類する理由
(業績悪化改定事由)」や「職制上の地位の変更、
職務の内容の重大な変更その他これらに類するやむを得ない
事情(臨時改定事由)」などの事由による減額改定については、
全額損金算入できます。
◆業績悪化改定事由には客観的な事情が必要
「業績悪化改定事由」とは、
*財務諸表の数値が相当程度悪化した場合、
*第三者の利害関係者(株主、債権者、取引先等)との
関係上、減額せざるを得ない事情が生じている場合、
*現状では売上などの数値的指標が悪化しているとは
言えないが、客観的な状況(主要な得意先が手形の不渡りを
出したなど)から、今後著しく悪化することが
避けられない場合など、客観的な事情があれば該当します。
なお、法人税率は近年引下げ傾向にある一方、
昨年から給与所得控除額に上限
(1500万円超は245万円)が設けられ、
28年には1200万円超で230万円、
29年以降は1000万円超で220万円が上限額になるなど、
所得税が増税されることも考慮して役員給与を決めましょう。
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