2018年6月18日月曜日

民泊事業で生じた所得の課税関係は


今月15日に住宅宿泊事業法(民泊新法)が施行され、



自治体に届出を行うことで



一定基準を満たす住宅での宿泊サービスの提供が可能になりました。




◆民泊事業による所得は原則「雑所得」




 自己が保有する居住用住宅を利用して、



同法に規定する住宅宿泊事業



(いわゆる「民泊」)を行って得た所得は、



所得税の課税対象となります。




 所得税法上、



不動産の貸付けによる所得は原則として



不動産所得に区分されますが、



民泊事業による所得は原則、「雑所得」に該当します。



例えば、



年末調整を行う給与所得者が民泊事業により



20万円超の所得を得た場合は、確定申告が必要です。




 なお、不動産賃貸業を営んでいる方が、



賃貸契約の満了等により空室となった不動産を利用して



一時的に民泊事業を行った場合の所得は、



不動産所得に含めることができます。



また、専ら民泊事業で生計を立てているなど、



事業として行われていることが明らかな場合は、



事業所得に該当します。




◆宿泊料は消費税の課税対象




 住宅の貸付けは、消費税が非課税となっていますが、



貸付期間が1ヵ月未満の場合や、



旅館業に係る施設の貸付けに該当する場合には、



課税対象とされています。



そのため、



同法に規定する民泊事業において



宿泊者から受領する宿泊料については、



消費税の課税対象となります。 




 なお、個人事業者が消費税の課税事業者



(納税義務者)となるのは、



「基準期間(前々年)の課税売上高」及び



「特定期間(前年の1月~6月)の課税売上高等」が



1千万円を超えた場合が該当するため、



1千万円以下であれば免税事業者となります。







2018年6月12日火曜日

算定基礎届に関する注意点等は


算定基礎届は、



社会保険における標準報酬月額を決定するための手続きとなり、



原則1年間(9月~翌年8月まで)適用されます。



30年度の提出期間は、7月2日~10日までとなります。




◆主なポイント




◎対象者……



7月1日現在の全ての被保険者です。



ただし、



*6月1日以降に資格取得した方、



*6月30日以前に退職した方、



*7月改定の月額変更届を提出する方、



は対象外となります。




◎標準報酬月額の対象となる報酬……



報酬には、給与や通勤手当、残業手当など



被保険者が労働の対償として受ける全てのものを含みます。



また、通勤定期券や食事など現物で支給されるものも



報酬に含まれます。



ただし、年3回以下の賞与や臨時に受けるもの



(見舞金等)は含まれません。




◎標準報酬月額の算定方法……



原則4~6月の3ヵ月間に支払われた報酬の



平均額により算定しますが、



支払基礎日数が17日未満の月は除きます



(短時間就労者は取扱いが異なる)。



例えば、



4月が17日未満であれば5月と6月の2ヵ月で算定します



(3ヵ月とも17日未満の場合、従前の標準報酬月額)。




◎保険者算定……



通常の算定方法によって



報酬月額を算定することが困難な場合や



著しく不当である場合は、



保険者が報酬月額を算定し標準報酬月額を決定します。



例えば、



業務の特性上、



例年4月~6月が繁忙期に当たるため、



残業手当等により他の期間と比べて多く支給されている場合、


前年7月~当年6月までの報酬月額の平均との間に、



標準報酬月額等級区分で2等級以上の差があれば



年間平均による保険者算定の対象となります。




2018年6月6日水曜日

6月に施行される主な制度等は


◎日本版「司法取引制度」(6月1日施行)……



特定の財政経済犯罪及び薬物銃器犯罪について、



容疑者や被告が「他人の刑事事件」の



解明に協力する見返りに、不起訴にしたり、



求刑を軽くする制度が導入されます。



脱税や独占禁止法違反、金融商品取引法違反、



特許法違反なども対象になります。




◎改正割賦販売法(6月1日施行)……



クレジットカードを取り扱う加盟店も、



カード番号等の適切な管理や



不正使用対策を講じることが義務付けられ、



*カード情報の非保持化、



*ICカード決済が可能な端末の設置、



*ネット取引は、



なりすましによる不正使用防止対策、等が必要になります。




◎「医療広告ガイドライン」の改定(6月1日施行)……



医療法等の改正により、



医療機関のウェブサイト等についても、



他の広告媒体と同様に規制の対象とし、



虚偽又は誇大等の表示を禁止し、



是正命令や罰則等の対象となります。




◎生産性向上特別措置法(6月6日施行)……



同法に基づき市町村の認定を受けた中小企業が取得する



一定の設備について、



固定資産税の課税標準を3年間ゼロ~1/2



(市町村の条例で定める割合)に軽減する



特例措置が実施されます。



なお、特例措置が実施されるためには、



法施行後に各市町村による「導入促進基本計画」の策定や、



特例率を定める条例の制定等が必要です。



◎住宅宿泊事業法(6月15日施行)……



民泊を行う場合のルールとして、



*都道府県知事等への届出が必要、



*サービスを提供できる日数は年間180日まで、



*衛生確保や騒音防止、



宿泊者名簿の備付けなどの義務付け、等が定められています。








2018年5月28日月曜日

29年分の所得税・贈与税の確定申告状況



国税庁は平成29年分の確定申告状況について公表しました。




◆所得税の確定申告書は約2198万人が提出




 所得税の確定申告書を提出した方は2197万7千人で、



そのうち1283万人が還付申告でした。



一方、申告納税額があった方は640万8千人で、



その所得金額は41兆4298億円、



納税額は3兆2037億円と、



いずれも3年連続で増加しています。




 また、確定申告書を提出した方で、



株式等の譲渡所得について申告した103万1千人のうち、



所得金額があった方は前年と比べ81.1%増加の



53万3千人となり、その所得金額は3兆5732億円、



1人当たりでは670万円となっています。




 なお、譲渡損失を翌年以降へ繰り越した方は53万3千人でした。




◆贈与税は約46万人が暦年課税を適用




 贈与税について申告書を提出した方は50万7千人で、



そのうち暦年課税(基礎控除110万円)を適用したのは



46万2千人



(特例税率23万2千人、一般税率23万人)、



相続時精算課税は4万5千人となりました。




 暦年課税を適用した方について、



申告納税額があったのは36万6千人で、



その納税額は1747億円、



1人当たりでは48万円となっています。



 なお、住宅取得等資金の非課税制度



(父母や祖父母などの直系尊属から



住宅取得等資金の贈与を受けた場合に、



一定の限度額まで贈与税が非課税となる制度)は



5万8千人が適用しており、



贈与を受けた住宅取得等資金4979億円のうち、



4566億円が非課税の適用を受けています。





2018年5月21日月曜日

役員に対して支給する給与の取扱い



◆多くの中小企業が支給する「定期同額給与」




 役員に対する給与を損金算入するためには一定の制限があり、



多くの中小企業は定期同額給与



(支給時期が1ヵ月以下の一定期間毎で、その事業年度中の支給額が同額)を支給しています。




 定期同額給与の支給額を改定する場合は通常、



決算後に開催する定時株主総会により改定する必要があり、



利益調整目的や一時的な資金繰りなどのために事業年度の中途で改定した場合には、



損金不算入となる金額が生じます。




 ただし、経営状況が著しく悪化した場合や、



職制上の地位の変更などの一定事由によって事業年度中に支給額を改定する場合、



損金算入が認められます。




 なお、29年4月から所得税や住民税、



社会保険料等を控除した金額が同額である定期給与についても、



損金算入が認められます。




◆税務上、役員と同様に扱われる「みなし役員」




 給与の損金算入が制限される税法上の役員には、



取締役や監査役などの会社法等で規定された役員だけではなく、



「みなし役員」に該当する方も同様の扱いになります。




 みなし役員とは、



①法人の使用人以外の者で、その法人の経営に従事している方



(例えば、取締役になっていない会長や顧問などが実質的に法人の経営に従事している場合など)、



②同族会社の使用人で一定の持株割合を満たし、



経営に従事している方



(例えば、社長の親族が使用人として勤務している場合など)、



いずれかに該当する場合です。




 なお、みなし役員に該当する場合は、使用人兼務役員にはなれません。




2018年5月14日月曜日

マイホームを買換えた場合の課税の特例


マイホームを買換えた場合における譲渡益や



譲渡損失の課税の特例は、



30年度税制改正で延長等が行われました。




◆譲渡益の課税を繰り延べる特例




 特定のマイホーム



(所有期間10年超、居住期間10年以上、



売却価額1億円以下)を売却し譲渡益が生じた場合は、



買い換えたマイホームを将来売却するときまで



譲渡益に対する課税を繰り延べる特例が適用できます。



ただし、



売却価額が買換えたマイホームの取得価額を超える場合、



差額分は譲渡所得として課税対象となります。




 また、マイホームを売却した場合の



「3千万円の特別控除」及び「軽減税率特例」は



重複して適用することはできません。




 なお、同特例は30年度改正において、


買換資産が非耐火の中古住宅である場合に、



①取得日以前25年以内に建築されたもの、



②一定の地震に対する安全性に係る基準に適合すること、



のいずれかを満たすことの要件が加えられました。




◆譲渡損失の損益通算と繰越控除




 マイホーム(所有期間5年超)の売却により



譲渡損失が生じた場合で、



買換えたマイホームに



10年以上の住宅ローンがあるなどの要件を満たせば、


その譲渡損失を給与所得や事業所得など他の所得と



損益通算することができます。




 また、



損益通算を行っても控除しきれない金額がある場合には、



翌年以後3年間にわたり繰越控除することができます



(合計所得金額が3千万円を超える年分は適用不可)。




 なお、住宅ローン減税は併用することができます。





2018年5月8日火曜日

中小の設備投資に係る固定資産税の特例


◆生産性向上特別措置法施行は6月頃の見込み




 今国会で審議中の「生産性向上特別措置法案」では、



市町村の認定を受けた中小企業が取得する



一定の設備について、



固定資産税の課税標準を3年間ゼロ~1/2



(市町村の条例で定める割合)に



軽減する特例措置の導入が予定されています。




 この特例措置は、各市町村の判断により実施の有無や、



軽減割合(特例率)を定めることになっていますが、



中小企業庁が公表した市町村に対する調査によると、



大半の市町村が「導入促進基本計画」を策定し、



固定資産税の特例措置を導入するとともに、



特例率はゼロとする予定となっています。




 なお、特例措置の実施は、



「生産性向上特別措置法案」の成立・施行後に、



各市町村で条例の制定等が必要となりますが、



同法案の施行は6月頃になると見込まれています。




◆計画認定後に取得した一定の設備が対象




 固定資産税の特例措置の適用を受けるためには、



労働生産性を年平均3%以上向上させるために



必要な先端設備等の導入計画



(先端設備等導入計画)を策定し、



市町村の認定を受ける必要があります。




 また、対象となる設備は、



生産性向上に資する指標が旧モデル比で



年平均1%以上向上する設備で、



機械装置(160万円以上、販売開始から10年以内)や、



測定工具・検査工具(30万円以上、5年以内)、



器具備品(30万円以上、6年以内)などが対象となります。




 設備の取得時期については、



先端設備等導入計画の認定後に取得することが



条件となっているため、注意しましょう。