2014年1月28日火曜日

知っておきたい医療費控除Q&A


 医療費控除は、本人または生計を一にする親族のために

 支払った医療費(保険金などは差し引く)が10万円を超える

 場合、一定金額を所得控除できる制度です。



◆Q&A


Q.10万円を超えていれば、全額が控除できる?


A.できません。10万円(所得200万円未満の方は所得の5%)

     を超えた部分の金額が控除額となります(最高200万円)。



Q.風邪や腹痛等を治すために薬局で購入した市販の

    医薬品は控除の対象?


A.対象となります。ただし、ビタミン剤などの病気の

    予防や健康維持のための費用は対象外です。


Q.人間ドックや健康診断の費用は対象?


A.疾病の治療を行うものではないので、

     原則として対象外です。



Q.通院するための交通費は?


A.電車やバスなどの交通機関を利用した場合、対象となります

     (付添が必要な場合は、付添人の交通費も含む)。

     なお、自家用車で通院した場合のガソリン代等は、

     対象外です。



Q.個室に入院した場合の差額ベッド代は?


A.治療のために必要な場合は対象となりますが、

     本人や家族の都合で個室にした場合は対象外です。



Q.保険適用外の自由診療は対象外?



A.保険適用の有無は関係なく、治療目的であれば対象と

     なります。

     例えば、自由診療となるインプラント治療(人工歯根)や、

     レーシック手術(視力回復レーザー手術)などは対象です。

     一方、美容目的で行うものは対象外です。
























2014年1月20日月曜日

産業競争力強化法に係る設備投資減税

産業競争力強化法が本日、施行されます。

これに伴い、26年度税制改正大綱で創設された生産性向上設

備投資促進税制や、中小企業投資促進税制の拡充は、同法の

施行日以降(29年3月まで)に取得等した設備が対象となるた

め、前倒し適用されます。


◆先端設備等を取得した際の減税措置
 

生産性向上設備投資促進税制は、生産性向上設備等(先端設備

又は生産ライン・オペレーションの改善に資する設備)に該当する

機械装置、器具備品、建物、ソフトウエア等を取得した場合、28

年3月までは即時償却又は取得価額の5%税額控除、28年4月

以降は50%特別償却又は4%税額控除が選択適用できる制度

です(建物・構築物は率が異なる)。

 なお、「先端設備」とは、一定期間内に販売された最新モデ

ル、旧モデル比で生産性が1%以上向上するもので、工業会

等の確認、証明書が必要となります(確認等はメーカーが行う)。

また、「生産ライン・オペレーションの改善に資する設備」は、一定

の投資計画を策定(税理士等が確認)し、経済産業局の確認を受

けた設備となります。


◆中小企業投資促進税制の上乗せ措置
 

中小企業投資促進税制は、中小企業者等が機械装置等の対象

設備を取得した場合、30%特別償却又は7%税額控除が選択適

用できる制度です

(税額控除は個人、資本金3千万円以下の法人に限る)

 同制度の拡充により、対象設備のうち、上記の生産性向上設備

等に該当するものについては、即時償却又は10%税額控除が

選択適用できます。また、資本金3千万円超1億円以下の法人も

7%の税額控除が選択適用できるようになります。








2014年1月14日火曜日

給与所得者が行う還付申告について

◆給与所得者等の還付申告は1月から受付
 

平成25年分の所得税の確定申告は、2月17日から受付が

始されます。(3月17日まで)
 
給与所得者の場合、給与収入が2千万円超の方や、給与以外

の所得が20万円超の方、上場株式等に係る譲渡損失の繰越

控除を適用する方などは確定申告が必要ですが、大部分の方

は年末調整で所得税が精算されているため、確定申告は必要

ありません。
 

ただし、年末調整では控除が受けられない医療費控除などを

用する場合は、還付を受けるための申告(還付申告)を

行います。この還付申告は、確定申告期間に関係なく、

1月から申告を行うことができ、期間は5年間です。

25年分は30年末まで)
 

なお、給与以外の所得が合計20万円以下であれば

確定申告は不要とされていますが、確定申告(還付申告)を

行う場合は、20万円以下の所得についても申告する

必要がありますので注意しましょう。


◆還付申告によって受けられる主な控除


◎医療費控除……本人又は生計を一にする配偶者や親族の

めに支払った医療費から保険金など補填される金額を

差し引き万円(所得金額200万円未満の方は、その5%)を

超える場合。


◎雑損控除……災害や盗難などで、住宅や家財(生活に通常必

要な資産)に損害を受けた場合や災害等に関連してやむを得な

い支出をした場合。


◎寄附金控除……国や地方公共団体などに対して2千円を

超える寄附金を支出した場合。



◎住宅ローン控除(初回のみ)……住宅ローン等を利用して

ホームの新築、取得等をした場合(2年目以降は年末調整

で控されます)。

26年1月から施行される主な制度などは

◎上場株式等に対する本則税率の適用……軽減税率の廃止に

より、本則20%が課せられます。


◎NISA(少額投資非課税制度)の開始……専用口座内の上場

株式や株式投信等(購入額は年間100万円が上限)による

利益が5年間非課税となります。


◎小規模宅地等の特例の要件緩和……構造上区分のある

二世帯住宅や、介護のため老人ホームに入所して居住しなく

なった家屋の敷地について、相続税評価額を減額する特例の

適用対象となります。


◎国外財産調書の提出義務……年末時点で5千万円超の国外

財産を保有している場合は、翌年3月15日までに国外財産調書

の提出が義務付けられます。(25年末の保有状況から適用)。


◎住宅取得等資金に係わる贈与税の非課税措置……26年中は

500万円(省エネ・耐震住宅1000万円)まで贈与税が非課税と

なります。なお、震災被災者は1000万円(同1500万円)です。


◎白色申告者に対する記帳・帳簿等の保存制度の対象拡

大……白色申告を行っている全ての個人事業主に対して、記帳・

帳簿等の保存が義務付けられます。


◎延滞税等の引下げ……26年中の延滞税は2.9%(納期限か

ら2ヵ月経過後は9.2%)、利子税・還付加算金は1.9%となりま

す。


◎小規模事業者経営改善資金(マル経融資)の対象拡大……商

工会・商工会議所の推薦による国の融資制度について、宿泊業

は娯楽業は、従業員20名以下(従来は5名以下)が利用対象

となります。



◎配偶者暴力(DV)防止法の一部改正……生活の本拠を共に

する交際相手からの暴力及びその被害者についても適用対象と

なります。

2013年12月17日火曜日

平成26年度税制改正大綱(主な個人関連)



自民・公明両党は26年度税制改正大綱を決定しました。個人に影響がある改正案は以下の通りです。


◎給与所得控除の上限引下げ……28年に給与収入1200万円超の控除額は230万円が上限に、29年からは1000万円超の控除上限額が220万円になる(現行は1500万円超で245万円が上限)。


NISA口座の制度変更……27年以後、非課税口座を開設する金融機関を毎年変更できる(現行は最長4年間、変更できない)。


ゴルフ会員権等の譲渡損失の損益通算廃止……ゴルフ会員権等の譲渡損失について、26年4月以後に行う譲渡から他の所得との損益通算ができない。


◎車体課税の見直し

*自動車重量税……26年4月以後、エコカー減税で初回車検時に重量税が免除された車は、次回も免除する。また、一定の経年車は税率を引上げる。

*自動車取得税……26年4月以後、22年度燃費基準を満たす車の税率を引下げ、自家用車の場合は3%(現行5%)にする。また、エコカー減税における軽減割合を拡充する。なお、取得税は消費税率10%引上げ時(27年10月予定)に廃止。

*自動車税……環境性能が優れた車は軽減し、一定の経年車は重くする
措置の対象や税率を見直す。

*軽自動車税……27年4月以後に取得する新車の税率を引上げ、自家用車の場合は10800円(現行7200円)にするとともに、13年が経過した車の税率を28年度から引上げる。また、原付・二輪車の税率を27年度から約1.5倍に引上げる。

◎消費税の軽減税率……消費税率10%時に導入する(具体的な実施時期などは来年中に決める)。







2013年12月10日火曜日

経営者保証に関するガイドラインについて


◆保証契約時や履行時における対応を規定


中小企業経営者による個人保証(経営者保証)は、

資金調達における信用補完の手段となっている一方、

思い切った事業展開や経営不振に陥った際の早期の事業再生を

阻害する要因などになっています。

日本商工会議所及び全国銀行協会は、保証契約時や

履行時等における課題への対応の準則として

「経営者保証に関するガイドライン」を策定・公表しました
(来年2月から適用)


本ガイドラインでは、例えば以下のような対応が規定

されています(法的拘束力はありません)


◎経営者保証を契約する際の金融機関の対応

保証契約の必要性などを説明する、保証金額は、

形式的に融資額と同額とはせず、保証人の資産状況などを

勘案して設定する、履行請求額は、一定の基準日

(期限の益を喪失した日等)以降に発生する保証人の

収入を含まないった対応を契約に規定すること等に努める。


◎経営者保証を提供しない場合に必要な経営状況

*経理や資産所有等について法人と経営者の関係を明確に

区分・分離する、*財務状況及び経営成績の改善により

信用力を強化する、*正確・丁寧に信頼性の高い情報を

開示・説明し、経営の透明性を確保する等に努める。


◎保証債務の履行基準(残存資産の範囲)

ガイドラインに基づく債務整理において、経営者(保証人)が

事業継続や事業清算後の新事業開始等のため、

一定期間の生計費に相当する現預金や、華美でない自宅

(自宅兼事務所など)等を残存資産に含めることを希望する

場合は、柔軟に検討する。







2013年12月2日月曜日

売掛金の回収・管理を徹底しましょう


◆売上だけではなく売掛金の回収も意識


企業にとって売上を伸ばすことは重要ですが、商品の代金を

回収できなければ意味がありません。


売掛金の回収期間が長くなれば、仕入先などへの支払いが

厳しくなり、資金繰りの悪化に繋がります。

また、回収できなければ商品の代金だけではなく、

売るまでのコストも損失となるため、その分を取り戻すには

同じ商品を何倍も売らなくてはなりません。


事業を継続するためには、売上だけではなく、売掛金の回収・

管理が重要であることを従業員も意識することが必要です。
 

なお、取引先の倒産など一定の事実によって回収不能と

なった場合は、貸倒損失として、税務上、損金又は必要経費

として取り扱われます
(回収不能に至った根拠となる証拠書類などを残すことが重要)



◆売掛金の時効が迫っている場合は

支払いが滞っている取引先に対しては、まず話し合いで原因を

把握し、状況に応じて解決を図る(分割払いを認めるなど)

ことが大切です。


長期間滞っている売掛金がある場合は、時効

(商品代金は2年間)に注意します。時効は、裁判上の

請求(訴訟や支払督促など)や、

承認(一部を支払う、残高確認書をもらうなど相手が

債務を認める)などにより中断され、新たに時効が始まります。


また、時効が迫っている場合は、支払いの請求(催告)を

することで時効を6ヵ月延ばすことができます
(証拠を残すには内容証明郵便を利用

ただし、催告により延長できるのは一度だけで、その間に

裁判上の請求などを行わなければ時効は中断しません。



なお、時効が過ぎている場合でも、時効を主張されなければ

権利は消滅しません。