2015年8月31日月曜日

国境を越えた役務提供に係る消費税の見直し



インターネット等を介して国内外で行われる




電子書籍や音楽、広告の配信などの




「電気通信利用役務の提供」について、




消費税の課税関係が以下のように見直され、




27年10月以後から適用されます。





◎内外判定基準の見直し……




電気通信利用役務の提供については、




消費税の課税対象となる国内取引に




該当するか否かの判定基準が




「役務の提供を受ける者の住所等」に見直されます




(現行は役務の提供を行う者の事務所等の所在地)。




これにより、国外事業者が国内の




事業者・消費者に行う電気通信利用役務の提供は、




国内取引に該当し課税対象になります。





リバースチャージ方式の導入……




国内事業者が国外事業者から




「事業者向け電気通信利用役務の提供




(広告配信など役務の提供




通常事業者に限られるもの)」を受けた場合は、




その役務の提供を受けた国内事業者が、




消費税の申告・納税を行う




「リバースチャージ方式」が導入されます。




ただし、経過措置により、




課税売上割合が95%以上の事業者や




簡易課税制度の適用事業者は、当分の間、




その役務の提供に係る仕入れはなかったものとされ、




リバースチャージ方式による




申告を行う必要はありません。





◎消費者向け電気通信利用役務




提供に係る仕入税額控除の制限……




国内事業者が国外事業者から




「消費者向け電気通信利用役務の提供




(電子書籍や音楽の配信など




事業者向け電気通信利用役務の




提供以外のもの)」を受けた場合は、当分の間、




その役務の提供に係る仕入税額控除が制限されます。




ただし、




「登録国外事業者」から提供を受ける場合は、




仕入税額控除を行うことができます。




なお、登録国外事業者は8月17日現在で




6社が登録を受けています。













2015年8月24日月曜日

従業員からマイナンバーを取得する場合Q&A



マイナンバー(個人番号)は、




今年10月から「通知カード」で通知され、




28年1月から利用が始まりますが、




税や社会保障の手続きのために




事業者は従業員等のマイナンバーを




取得する必要があります。





◆Q&A




Q.28年1月以前に、




従業員等からマイナンバーを収集することはできる?




A.マイナンバーの通知を受けている本人から、




あらかじめ収集することは可能です。





Q.従業員等からマイナンバーを



取得する際、手続きは必要?




A.取得する際は、



本人に利用目的を明示するとともに、




本人確認を行う必要があります。




Q.どのように本人確認を行えばよい?




A.番号確認と身元確認が必要となり、




原則として、①個人番号カード、




②通知カード+運転免許証など、




③個人番号の記載された




住民票の写しなど+運転免許証など、




のいずれかの方法で確認します。





なお、雇用関係にあることなどから




本人に相違ないことが明らかな場合は、




身元確認を不要とすることも認められます。





Q.扶養控除等申告書に記載される




扶養親族のマイナンバーは?





A.扶養控除等申告書を提出する従業員等が




扶養親族のマイナンバーを取得し、記載します。





Q.内定者にマイナンバーの提供を求めることは?




A.内定者が確実に雇用されることが




予想される場合(正式な内定通知がなされ、




入社に関する誓約書を提出した場合等)には、




その時点で提供を求めることができます。








2015年8月10日月曜日

中小企業も知っておきたい改正会社法




今年5月に施行された改正会社法は、




主に上場企業や大企業に影響を与える




改正が中心ですが、





中小企業も知っておきたい改正も含まれています。





◆特別支配株主の株式等売渡請求の創設




議決権の90%以上を




保有する株主(特別支配株主)が、




他の株主全員に対して全ての株式を




売り渡すように請求できる制度が創設されました。





同制度による売渡請求を行う場合は、




特別支配株主が対象株式の買取価格や、




株式を取得する日などを定めた上で、




株式の発行会社に通知し、




承認を受ける必要があります




(取締役会設置会社では取締役会の承認)。





承認後、会社は取得日の20日前までに、




売渡請求を承認した旨




売渡の対価に関する事項など




一定事項の通知を少数株主へ行うことで、




株式を取得できます。





◆監査役の監査範囲の限定について登記が必要




ただし、売り渡し請求を




受けた株主(売渡株主)は、




特別支配株主が提示した株式の




買取価格が会社の財産の状況などから




著しく不当である場合や、




売渡株主が不利益を受けるおそれがある場合は、




特別支配株主に売渡請求を




やめるよう請求できます。





また、裁判所への価格決定の申し立てや、




売り渡しの無効を訴えを起こすことができます。





この他、定款で監査役の監査範囲が




会計監査のみに限定する会社




(多くの中小企業が該当)について、




「監査役の監査の範囲を会計に限定する旨」を




登記することが必要となりました。





5月以降、最初に監査役が




選任・退任する際の登記に併せて、




会計に限定する旨を登記することになります。











2015年8月3日月曜日

経営者保証ガイドラインを活用した融資等



◆民間金融機関によるガイドラインの活用実績
 




中小企業が金融機関から融資を受ける際に




提供する経営者の個人保証について、




保証の契約時や履行時における対応の




自主的なルールを定めた




「経営者保証に関するガイドライン」が、




昨年2月から適用されています。




ガイドラインでは、




経営者保証を提供しない融資や、




既存の保証契約の解除等を受けるために




必要な中小企業の経営状況が示されていますが、




金融庁が公表した




「民間金融機関におけるガイドラインの活用実績」




(26年2月~27年3月末までの実績)によると、




民間金融機関がガイドラインに基づき、




新規に無保証で融資した件数は




138135件となりました。




また、保証契約の解除は23375件、




保証金額の減額は15148件実施されています。





◆経営者保証を提供しない場合に必要な条件




中小企業が経営者保証を提供しない融資を




希望する場合は、以下のような経営状況が




ガイドラインで求められています。




①経理や資産所有等について、




法人と経営者が明確に区分・



分離されている(法人から経営者への




貸付がない、事業用資産は法人所有であるなど)






②法人のみの資産・収益力で




借入返済が可能と判断し得る財務状況




(業績が堅調で十分なキャッシュフローを




確保している、内部留保が潤沢であるなど)





③適時適切に財務情報等が




提供されている(本決算のほか、




試算表や資金繰表等の定期的な報告など)





なお、金融庁では金融機関における



取組みをまとめた




「経営者保証に関するガイドラインの




活用に係る参考事例集」を公表しています。