◆一定のケースでは外れ馬券も経費に
競馬の払戻金で得た所得を申告せず、
3年間で約5億7千万円を脱税したとして
所得税法違反(単純無申告)の罪に
問われていた事件では、
外れ馬券の購入費が経費と認められるかが
注目されていましたが、
最高裁判決で被告人のケースは
「一時所得」ではなく「雑所得」として
外れ馬券を経費として認める初の判断を示しました。
競馬の払戻金は所得税基本通達で、
「一時所得」と規定されており、
収入から差し引く経費は
「その収入を得る為に直接要した金額」に限られるため、
当たり馬券の購入費のみが経費に該当します。
しかし、被告人は予想ソフトを使用して
インターネットでほぼ全レースの馬券を
自動的に購入していたため、
営利を目的とする継続的行為から
生じた所得として「雑所得」に該当すると判断され、
外れ馬券を含めた全馬券の購入費が
経費として認められました。
今回の判決により国税庁は、
通達を改正し同様のケースでは「雑所得」として
取り扱う方針です。
◆一時所得と雑所得に該当するものは
一時所得とは、営利を目的とする継続的行為から
生じた所得以外の臨時・偶発的な所得で、
競馬や競輪の払戻金、懸賞の賞金、
生命保険の満期返戻金などが該当します。
ただし、宝くじの当選金などは、
非課税のため一時所得にはなりません。
一方、雑所得とは、他の所得のいずれにも
当てはまらない所得で、
公的年金や作家以外の人が受け取る原稿料、
FXや先物取引の利益などが該当します。
なお、一時所得や雑所得で生じた損失を、
他の所得と損益通算することはできません。
0 件のコメント:
コメントを投稿