2018年11月26日月曜日

相続法改正の施行期日が決定


今年7月に成立した民法等(相続法)改正について、



施行期日が政令で定められました。




◆来年1月から段階的に施行される改正法




 相続法が約40年ぶりに大幅に見直され、



配偶者居住権の新設をはじめ、



遺産分割や遺言制度に関する見直しなど、



多岐にわたる改正が実施されます。




 改正法の施行期日は原則として、



31年(2019年)7月1日ですが、



一部の規定は施行期日が異なり、



以下のように段階的に施行されます。




◎自筆証書遺言の方式緩和(31年1月13日)……



自筆証書遺言を作成する際、



添付する財産目録は自書でなくてもよいものとされ、



パソコンで作成した目録や通帳のコピー等の添付が



可能になります。




◎原則的な施行(31年7月1日)……



相続された預貯金債権について、



遺産分割前にも払戻しが受けられる制度の創設や、



相続人以外の親族が無償で



被相続人の療養看護等を行った場合、



相続人に対して金銭請求ができる制度の創設のほか、



遺留分制度や相続の効力等に関する



見直しなどが行われます。




◎配偶者居住権の新設(32年4月1日)……



配偶者が相続開始時に被相続人の建物に住んでいた場合、



遺産分割が終了するまでの間(最低でも6ヵ月間)



は建物を無償で使用できる権利(配偶者短期居住権)や、



配偶者に終身または一定期間、



建物の使用を認める権利(配偶者居住権)が新設されます。




◎法務局における自筆証書遺言の保管制度の創設



(32年7月10日)……



自筆証書遺言に係る遺言書は現状、



自宅で保管するケースが多く、



紛失や相続人による隠匿、



改ざんなどのおそれがありますが、



法務局において保管できるようになります。







2018年11月20日火曜日

「雑損控除」と「災害減免法」


給与所得者は原則、



年末調整を行うため確定申告は不要ですが、



年末調整では対応していない医療費控除や寄附金控除、



雑損控除、住宅ローン控除(初回適用のみ)



などの適用を受ける場合は確定申告をします。



申告の際に必要となる領収書や証明書などを



準備しておきましょう。




◆災害により住宅や家財に損害を受けた場合は




 今年も台風や豪雨、地震などの自然災害により、



各地で甚大な被害が発生しました。



災害によって住宅や家財などに損害を受けた方は、



「雑損控除(所得控除)」又は



「災害減免法(所得税額の軽減免除)」の



どちらか有利な方法を選択することができます。




 なお、被災者が地方公共団体から



義援金の配分を受けた場合でも損失額の計算上、



その金額を補填された金額として控除する必要はありません。




◎雑損控除……



生活に通常必要と認められる住宅や家具、



車両(専ら通勤に使用している場合など)などの資産が



損害を受けた場合に、



「損失額(保険金などの補填される金額を控除)-所得金額の10%」



又は「損失額のうち災害関連支出額(取り壊しや除去費用など)-5万円」



のいずれか多い方を所得金額から控除できます。



その年の所得金額から控除しきれない金額がある場合には、



翌年以後3年間繰り越して控除できます。




◎災害減免法……



災害があった年分の所得金額が1千万円以下の方で、



住宅や家財の損失額が時価の1/2以上の場合に



適用できます。



所得金額により軽減額が異なり、



500万円以下は所得税額を全額免除、



500万円超750万円以下は税額の1/2、



750万円超1千万円以下は税額の1/4を軽減できます。





2018年11月13日火曜日

延長される?教育資金等の贈与税非課税措置

祖父母等が子や孫に対して、



教育資金や結婚・子育て資金を一括贈与した場合、



それぞれ贈与税の非課税措置が設けられています。



現行の適用期限は来年3月末までとなっていますが、



文科省は来年度税制改正で恒久化を要望しており、



延長される可能性があります。




◆塾や習い事の費用も対象となる非課税措置




 教育資金に係る措置は、祖父母等(受贈者の直系尊属)が



30歳未満の子・孫に対して教育資金を一括贈与する場合、



受贈者ごとに1500万円



(塾や習い事など学校等以外に支払う費用は



500万円が限度)まで贈与税を非課税とするもので、



利用するには取扱金融機関で専用口座を開設し、



贈与する資金の預入等を行い管理する必要があります。




 同措置では受贈者が30歳に達した場合などに



契約終了となり、



その時点で教育資金として使われなかった残額は



贈与税の課税対象となります。



ただし、



契約期間中に贈与者が亡くなった場合における残額は



相続財産に加算されません。




◆結婚や子育て資金を1千万円まで非課税に




 結婚・子育て資金に係る措置は、



祖父母等(受贈者の直系尊属)が



20歳以上50歳未満の子・孫に対して



結婚・子育て資金を一括贈与する場合、



受贈者ごとに1千万円



(結婚関係の費用は300万円が限度)まで



非課税とするものです。




 教育資金の措置と同様に、



取扱金融機関で専用口座を開設し、



受贈者が50歳に達した時点での残額は



贈与税の課税対象となります。



なお、



贈与者が亡くなった場合における残額の取扱いは異なり、



相続財産に加算されるため、注意が必要です。





2018年11月5日月曜日

年末調整に関するQ&A


年末調整の時期が近づいてきました。




Q.年末調整の対象者は?




A.「扶養控除等(異動)申告書」を提出しており、



年末まで勤務している方が対象です



(給与総額が2千万円超の方などは除く)。



なお、給与以外の所得がある場合などで



確定申告をする方でも、対象者は年末調整を行います。




Q.年末調整の対象となる給与は?




A.1月から12月までの間に支払うことが確定した給与です



(未払いがある場合でも年末調整の対象)。



また、年の中途で入社した方が、



入社前に別の会社から給与を受け取っていた場合は、



その給与を含めて年末調整をします(前職の源泉徴収票で確認)。




Q.配偶者控除等の適用を受ける場合は?




A.今年から、年末調整において配偶者控除又は



配偶者特別控除の適用を受けるためには



配偶者控除等申告書」の提出が必要です。




Q.扶養控除などの適用は、いつの時点で判定?




A.配偶者や扶養親族が控除対象に該当するかは、



年末調整を行う時点の現況で判断することになります



(その年の12月31日までに異動があった場合は、



年末調整をやり直します)。



なお、年の途中で亡くなった場合は、



その時点で要件を満たしていれば控除を適用できます。




Q.別居している扶養親族等は控除の対象になる?




A.常に生活費や療養費を送金しているなど、



本人と生計を一にしている場合は対象になります。



なお、



国外に居住する親族について



扶養控除等の適用を受けるためには、



当該親族に関する「親族関係書類」及び



「送金関係書類」の提出等が必要です。