◆免税店の店舗数は全国で約4万5千店
観光庁によると、昨年の訪日外国人旅行者数は
2869万人(前年比19.3%増)と6年連続で増加し、
その旅行消費額4兆4162億円のうち、
買物代は1兆6398億円
(1人あたり約5万7千円)となっています。
このような状況から、
外国人旅行者等の非居住者に対して
通常生活の用に供される物品
(一般物品、消耗品)を一定の方法で販売する場合に
消費税を免除して販売できる免税店
(輸出物品販売場)の店舗数も年々増加しており、
今年4月1日時点で4万 4646店
(前年比10.2%増)となりました。
また、ここ数年の税制改正により
制度拡充が実施されており、
免税販売の対象となる一般物品
(家電、衣料品等)と消耗品
(飲食料品、化粧品等)の購入下限額は現行、
それぞれ5千円以上とされています。
◆7月以後の免税販売から適用される改正
30年度税制改正においても見直しが行われ、
一般物品と消耗品のそれぞれの販売価額が
5千円未満である場合でも、
一般物品を消耗品と同様の指定された方法により
包装することで、
消耗品として取り扱われることになり、
これらの合計額が5千円以上であれば
免税販売することができます。
例えば、一般物品4千円、消耗品6千円の場合、
一般物品は5千円以上ではないため
通常は免税販売の対象になりませんが、
消耗品と同様の包装をすることで、
合計1万円の消耗品として
免税販売ができるようになります。
この改正は、
7月1日以後に行う免税販売について適用されます。
今月15日に住宅宿泊事業法(民泊新法)が施行され、
自治体に届出を行うことで
一定基準を満たす住宅での宿泊サービスの提供が可能になりました。
◆民泊事業による所得は原則「雑所得」
自己が保有する居住用住宅を利用して、
同法に規定する住宅宿泊事業
(いわゆる「民泊」)を行って得た所得は、
所得税の課税対象となります。
所得税法上、
不動産の貸付けによる所得は原則として
不動産所得に区分されますが、
民泊事業による所得は原則、「雑所得」に該当します。
例えば、
年末調整を行う給与所得者が民泊事業により
20万円超の所得を得た場合は、確定申告が必要です。
なお、不動産賃貸業を営んでいる方が、
賃貸契約の満了等により空室となった不動産を利用して
一時的に民泊事業を行った場合の所得は、
不動産所得に含めることができます。
また、専ら民泊事業で生計を立てているなど、
事業として行われていることが明らかな場合は、
事業所得に該当します。
◆宿泊料は消費税の課税対象
住宅の貸付けは、消費税が非課税となっていますが、
貸付期間が1ヵ月未満の場合や、
旅館業に係る施設の貸付けに該当する場合には、
課税対象とされています。
そのため、
同法に規定する民泊事業において
宿泊者から受領する宿泊料については、
消費税の課税対象となります。
なお、個人事業者が消費税の課税事業者
(納税義務者)となるのは、
「基準期間(前々年)の課税売上高」及び
「特定期間(前年の1月~6月)の課税売上高等」が
1千万円を超えた場合が該当するため、
1千万円以下であれば免税事業者となります。
算定基礎届は、
社会保険における標準報酬月額を決定するための手続きとなり、
原則1年間(9月~翌年8月まで)適用されます。
30年度の提出期間は、7月2日~10日までとなります。
◆主なポイント
◎対象者……
7月1日現在の全ての被保険者です。
ただし、
*6月1日以降に資格取得した方、
*6月30日以前に退職した方、
*7月改定の月額変更届を提出する方、
は対象外となります。
◎標準報酬月額の対象となる報酬……
報酬には、給与や通勤手当、残業手当など
被保険者が労働の対償として受ける全てのものを含みます。
また、通勤定期券や食事など現物で支給されるものも
報酬に含まれます。
ただし、年3回以下の賞与や臨時に受けるもの
(見舞金等)は含まれません。
◎標準報酬月額の算定方法……
原則4~6月の3ヵ月間に支払われた報酬の
平均額により算定しますが、
支払基礎日数が17日未満の月は除きます
(短時間就労者は取扱いが異なる)。
例えば、
4月が17日未満であれば5月と6月の2ヵ月で算定します
(3ヵ月とも17日未満の場合、従前の標準報酬月額)。
◎保険者算定……
通常の算定方法によって
報酬月額を算定することが困難な場合や
著しく不当である場合は、
保険者が報酬月額を算定し標準報酬月額を決定します。
例えば、
業務の特性上、
例年4月~6月が繁忙期に当たるため、
残業手当等により他の期間と比べて多く支給されている場合、
前年7月~当年6月までの報酬月額の平均との間に、
標準報酬月額等級区分で2等級以上の差があれば
年間平均による保険者算定の対象となります。
◎日本版「司法取引制度」(6月1日施行)……
特定の財政経済犯罪及び薬物銃器犯罪について、
容疑者や被告が「他人の刑事事件」の
解明に協力する見返りに、不起訴にしたり、
求刑を軽くする制度が導入されます。
脱税や独占禁止法違反、金融商品取引法違反、
特許法違反なども対象になります。
◎改正割賦販売法(6月1日施行)……
クレジットカードを取り扱う加盟店も、
カード番号等の適切な管理や
不正使用対策を講じることが義務付けられ、
*カード情報の非保持化、
*ICカード決済が可能な端末の設置、
*ネット取引は、
なりすましによる不正使用防止対策、等が必要になります。
◎「医療広告ガイドライン」の改定(6月1日施行)……
医療法等の改正により、
医療機関のウェブサイト等についても、
他の広告媒体と同様に規制の対象とし、
虚偽又は誇大等の表示を禁止し、
是正命令や罰則等の対象となります。
◎生産性向上特別措置法(6月6日施行)……
同法に基づき市町村の認定を受けた中小企業が取得する
一定の設備について、
固定資産税の課税標準を3年間ゼロ~1/2
(市町村の条例で定める割合)に軽減する
特例措置が実施されます。
なお、特例措置が実施されるためには、
法施行後に各市町村による「導入促進基本計画」の策定や、
特例率を定める条例の制定等が必要です。
◎住宅宿泊事業法(6月15日施行)……
民泊を行う場合のルールとして、
*都道府県知事等への届出が必要、
*サービスを提供できる日数は年間180日まで、
*衛生確保や騒音防止、
宿泊者名簿の備付けなどの義務付け、等が定められています。