中小企業における後継者不在が大きな問題となっている中、
親族以外を後継者として選定する
親族外承継が増加しています。
◆4月から遺留分特例の対象を親族外へ拡大
後継者が安定的に経営をしていくためには、
生前贈与などにより自社株式や事業用資産を
集中的に承継させることが必要となります。
しかし、推定相続人が複数いる場合、
後継者に自社株式を集中して承継させても、
他の相続人から遺留分
(最低限保障されている相続財産の割合)を
取り戻すための請求を受ける可能性があります。
このような問題に対処するため、
経営承継円滑化法では遺留分に関する民法の特例
(遺留分特例制度)が規定されており、
これまでは適用が親族内承継に限定されていましたが、
後継者が親族外の者でも対象となるように拡充され、
28年4月から施行される予定です。
◆遺留分特例制度によって何ができる?
遺留分特例制度は、後継者が現経営者から
贈与等された自社株式について、
推定相続人全員が合意し、
一定の手続を行うことで、
遺留分算定基礎財産から除外する
「除外合意」、
又は遺留分算定基礎財産に算入する価額を
合意時の時価に固定する
「固定合意」
をすることができます。
除外合意により、
後継者が贈与等で取得した自社株式について、
他の相続人は遺留分の主張ができないため、
自社株式が分散するのを防止できます。
また、固定合意では、
自社株式の価額が上昇しても
遺留分の額に影響しないため、
後継者は相続時に想定外の遺留分の主張を
受けることがなくなります。
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