◎地域別最低賃金の改定……
30年度の改定額は、すべての地域で24円以上
(24~27円)の引上げとなります。
発効日は各都道府県で異なりますが、
10月1日~6日までに発効されるので、
厚労省や労働局のホームページ等で確認します。
◎改正労働者派遣法(27年9月30日施行)に伴う対応……
27年9月30日以降に
契約を締結・更新した派遣労働者について、
①同一の派遣先事業所における派遣の受入れ期間は、
原則3年が限度
(過半数労働組合等から意見聴取することで最大3年延長が可能)、
②①で期間を延長した場合でも、
同一の派遣労働者を派遣先事業所の同一の組織単位
(「課」など)で受入れができる期間は3年が限度です。
◎健康保険被扶養者の手続き変更……
被扶養者を認定する際の身分関係及び
生計維持関係の確認が厳格化され、
「健康保険被扶養者(異動)届」の添付書類の取扱いが
変更になります。
◎社会保険の随時改定における年間平均の取扱い……
定時決定(算定基礎)と同様に、
随時改定(月額変更)についても報酬の月平均額と、
年間の報酬の月平均額とが著しく乖離する場合、
年間平均による保険者算定の申し立てができるようになります。
◎たばこ税の引上げ……
たばこ税の引上げ(1本あたり1円)や、
加熱式たばこの課税方法の見直しが実施されることに伴い、
価格も値上げとなります。
◎NPO法人に係る貸借対照表の公告……
NPO法人は毎年度、
貸借対照表を公告することが義務付けられます。
30年10月1日以後に作成する貸借対照表が対象となりますが、
30年9月30日以前に作成した
直近の貸借対照表も公告する必要があります。
26年からスタートした一般NISAの非課税期間は
最長5年間のため、
26年分の非課税期間は今年で終了となります。
◆ロールオーバー又は課税口座に移管を選択
NISA口座内の上場株式等を売却せずに、
非課税期間終了後も保有する場合は、
非課税期間終了時の時価を取得価額として、
①翌年のNISA口座の非課税投資枠に移す
(ロールオーバー)、
又は②特定口座などの課税口座に移すことを選択できます。
①を選択した場合、
引き続き譲渡益・配当等が5年間非課税となりますが、
翌年の非課税投資枠120万円を使用するため、
ロールオーバーした分だけ新規投資枠が減ります。
また、
ロールオーバーする上場株式等の時価が
120万円を超える場合でも、
すべて移すことが可能(上限なし)ですが、
その場合は非課税投資枠を使い切るため新規投資できません。
なお、口座を開設している金融機関に対して、
あらかじめ「非課税口座内上場株式等移管依頼書」を
提出する必要があります。
◆課税口座に移管する場合の注意点
②を選択した場合、
課税口座へ移管後に生じた譲渡益・配当等は課税され、
譲渡損失は損益通算や繰越控除が可能になりますが、
譲渡損益を計算する際の取得価格は
非課税期間終了時の時価となります。
例えば、100万円で購入し、
非課税期間終了時に70万円となった投資信託を
課税口座へ移管した場合、取得価格は70万円になります。
そのため、
移管後に値上がりし100万円で売却した場合は、
30万円の譲渡益となり課税されることになります。
なお、移管の際に必要な手続きはありません。
31年度税制改正に向けた各府省庁からの要望には、
主に以下のような事項があります。
◎中小企業の設備投資減税の延長等……
適用期限が30年度末までとなっている
①中小企業経営強化税制、
②商業・サービス業・農林水産業活性化税制、
③中小企業投資促進税制をそれぞれ2年間延長し、
①、②は必要な拡充を行う。
◎新設法人への繰越欠損金制度の拡充……
資本金1億円以上の新設法人について、
繰越欠損金を所得金額の100%まで控除できる期間を
設立10年目(現行7年目)まで延長する。
◎空き家に係る譲渡所得の特別控除の要件緩和……
空き家の譲渡所得の3千万円特別控除について、
要件を緩和し、
被相続人が老人ホーム等に入居していた場合も対象とする。
また、
譲渡後に家屋の耐震リフォーム又は除却を行った場合も対象に加える。
◎外国人旅行者向け消費税免税制度の拡充……
すでに消費税免税店の許可を受けている事業者が、
地域のお祭りや商店街のイベント等に出店する場合に、
簡素な手続きにより免税販売することを認める。
◎教育資金一括贈与に係る贈与税の非課税措置の拡充等……
領収書に代えて明細書の提出が可能となる範囲を
3万円以下(現行1万円以下)に引上げる。
◎結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の拡充等……
贈与者としておじ・おばを、受贈者として甥・姪を対象とする。
◎その他……
*研究開発税制の拡充等、
*NISA制度の恒久化等、
*金融商品に係る損益通算範囲の拡大、
*地域未来投資促進税制の拡充等、
*個人事業者の事業承継に係る負担軽減措置の創設、など。