◆領収書に代えて、「医療費の明細書」を添付
医療費控除の適用を受ける場合、
これまでは確定申告書に
医療費の領収書を添付等する
必要がありましたが、
29年度税制改正により、
29年分以後の確定申告
(30年1月以後に申告書を提出)から、
領収書に代えて、
「医療費の明細書」を
添付することになりました。
医療費の明細書とは、
「医療を受けた方の氏名」や
「病院・薬局などの支払先の名称」、
「支払った医療費の額」などを
記載したものです。
なお、領収書については、
確定申告期限等から5年間は、
提示又は提出を求められる
可能性があるため、
保存しておく必要があります。
ただし、保険者
(協会けんぽや健康保険組合)から
交付を受けた医療費通知書を
医療費の明細書として添付した場合、
領収書の保存は必要ありません。
◆「セルフメディケーション税制」も同様
今年から、健康の維持増進及び
疾病予防のために一定の取組
(予防接種や定期健康診断等)を行う方が、
本人又生計を一にする親族に係る
スイッチOTC医薬品
(医療用から転用された医薬品)の購入し、
その支払額の合計が
年間1万2千円を超えた場合に、
超えた部分の金額
(8万8千円が上限)が
所得控除できる
「セルフメディケーション税制
(医療費控除の特例)」
が始まっており、
従来からの医療費控除と
どちらか有利な方を選択適用できます。
同制度についても
医薬品購入費の領収書に代えて、
明細書を添付することになります。
なお、経過措置として
29年分から31年分は、
領収書の添付等でも控除の適用はできます。
30年度税制改正に向けた
各府省庁からの要望には、
主に以下のような事項があります。
◎所得拡大促進税制の拡充……
*賃上げに加え、
人材投資に取り組む企業を支援するため、
教育訓練費を増加させた場合に
税額控除を拡充する、
*中小企業に対しては、
生産性が低い業種に分類される場合なども
税額控除を拡充するほか、要件を緩和する。
◎中小企業の事業承継に係る税制措置の拡充等……
*売却やM&Aで親族以外に事業譲渡する場合、
株式等の譲渡益や資産の移転等に係る
税負担の軽減措置
(中小企業等の再編・統合等に
係る税負担の軽減措置)を創設する、
*非上場株式に係る相続税・
贈与税の納税猶予制度(事業承継税制)
について、各種要件を抜本的に拡充する。
◎外国人旅行者向け消費税免税制度の拡充……
免税販売の下限金額の判定について、
「一般物品」と「消耗品」の合算を認める。
◎受動喫煙防止対策に伴う税制上の措置……
飲食店等で喫煙専用室を
設置した場合における
税制上の所要の措置を講じる。
◎NISAの利便性向上・充実……
*NISAの口座開設申込時に、
即日で買付けを可能とする、
*時限措置であるNISAを恒久措置とする。
◎子育て支援に要する費用に
係る税制措置の創設……
認可外保育施設等を
利用する場合に要する費用の一部について、
税額控除の対象とする。
◎その他……
*先進的省エネ・再エネ投資促進税制の創設、
*金融所得課税の一体化、
*公募投資信託等の内外二重課税の調整、
*医療機関等の設備投資等に
関する特例措置の創設、など。
29年度税制改正では、
新たなNISA制度(少額投資非課税制度)
として長期の積立・分散投資に適した
「つみたてNISA」が創設され、
来年からスタートします
(受付は今年10月から開始)。
◆Q&A
Q.つみたてNISAとは、どんな制度?
A.年間40万円を投資上限として、
一定の投資信託等を定期かつ
継続的な方法(積立投資)で
買付けた場合に、
配当や売買益が
最長20年間非課税となる制度です。
なお、通常のNISA
(年間投資上限120万円、非課税期間5年)
とは選択制となり、
同一年に両方の適用はできません。
Q.つみたてNISAの投資対象となる商品とは?
A.長期の積立・分散投資に適した
投資信託・ETFで、
*信託契約期間が無期限又は20年以上、
*分配頻度が毎月でない、
などの一定要件を満たすものが対象となります
(1ヵ月に1回など定期的に
一定金額の買付けを行う積立投資に限る)。
Q.既にNISA口座を開設している場合に、
つみたてNISAを始めるにはどうすればいい?
A.同じ金融機関でつみたて
NISAを設定する場合は、
通常のNISAからの
切り替え手続を行う必要があります。
ただし、切り替える年に
通常のNISAで買付けを行っていた場合は、
その年中は切り替えを行うことができません。
Q.非課税期間(20年間)終了後はどうなる?
A.買付けた投資信託等は、
課税口座(特定口座や一般口座など)に移ります。
なお、通常のNISAとは異なり、
ロールオーバー(翌年の非課税枠を
利用して継続保有すること)はできません。