26年からスタートした一般NISAの非課税期間は
最長5年間のため、
26年分の非課税期間は今年で終了となります。
◆ロールオーバー又は課税口座に移管を選択
NISA口座内の上場株式等を売却せずに、
非課税期間終了後も保有する場合は、
非課税期間終了時の時価を取得価額として、
①翌年のNISA口座の非課税投資枠に移す
(ロールオーバー)、
又は②特定口座などの課税口座に移すことを選択できます。
①を選択した場合、
引き続き譲渡益・配当等が5年間非課税となりますが、
翌年の非課税投資枠120万円を使用するため、
ロールオーバーした分だけ新規投資枠が減ります。
また、
ロールオーバーする上場株式等の時価が
120万円を超える場合でも、
すべて移すことが可能(上限なし)ですが、
その場合は非課税投資枠を使い切るため新規投資できません。
なお、口座を開設している金融機関に対して、
あらかじめ「非課税口座内上場株式等移管依頼書」を
提出する必要があります。
◆課税口座に移管する場合の注意点
②を選択した場合、
課税口座へ移管後に生じた譲渡益・配当等は課税され、
譲渡損失は損益通算や繰越控除が可能になりますが、
譲渡損益を計算する際の取得価格は
非課税期間終了時の時価となります。
例えば、100万円で購入し、
非課税期間終了時に70万円となった投資信託を
課税口座へ移管した場合、取得価格は70万円になります。
そのため、
移管後に値上がりし100万円で売却した場合は、
30万円の譲渡益となり課税されることになります。
なお、移管の際に必要な手続きはありません。
31年度税制改正に向けた各府省庁からの要望には、
主に以下のような事項があります。
◎中小企業の設備投資減税の延長等……
適用期限が30年度末までとなっている
①中小企業経営強化税制、
②商業・サービス業・農林水産業活性化税制、
③中小企業投資促進税制をそれぞれ2年間延長し、
①、②は必要な拡充を行う。
◎新設法人への繰越欠損金制度の拡充……
資本金1億円以上の新設法人について、
繰越欠損金を所得金額の100%まで控除できる期間を
設立10年目(現行7年目)まで延長する。
◎空き家に係る譲渡所得の特別控除の要件緩和……
空き家の譲渡所得の3千万円特別控除について、
要件を緩和し、
被相続人が老人ホーム等に入居していた場合も対象とする。
また、
譲渡後に家屋の耐震リフォーム又は除却を行った場合も対象に加える。
◎外国人旅行者向け消費税免税制度の拡充……
すでに消費税免税店の許可を受けている事業者が、
地域のお祭りや商店街のイベント等に出店する場合に、
簡素な手続きにより免税販売することを認める。
◎教育資金一括贈与に係る贈与税の非課税措置の拡充等……
領収書に代えて明細書の提出が可能となる範囲を
3万円以下(現行1万円以下)に引上げる。
◎結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の拡充等……
贈与者としておじ・おばを、受贈者として甥・姪を対象とする。
◎その他……
*研究開発税制の拡充等、
*NISA制度の恒久化等、
*金融商品に係る損益通算範囲の拡大、
*地域未来投資促進税制の拡充等、
*個人事業者の事業承継に係る負担軽減措置の創設、など。
◆補助金の申請等における注意喚起
来年10月から消費税率10%への引上げとともに、
飲食料品(酒類・外食を除く)と
一定の新聞を8%に据え置く軽減税率制度が導入される予定です。
同制度への対応が必要となる中小企業を対象に、
複数税率対応レジの導入や
受発注システムの改修などに係る費用の一部を補助する
「軽減税率対策補助金」は、
既に約7万以上の事業者が利用していますが、
申請の誤りや不適切な案件が増えていることから
経産省・中企庁が注意喚起を行っています。
なお、申請に対する現地調査も実施されており、
実際には軽減税率対象商品を販売していない事業者が
申請していたケースなどが発見されています。
◆複数税率対応レジの導入等支援のポイント
同補助金のうち、
複数税率対応レジの導入等支援(A型)に関するポイントは、
以下のとおりです。
◎申請受付期限……
31年9月30日までに導入または改修を終え、
代金の支払いを完了したものについて、
31年12月16日までに交付申請を行います。
◎対象となる事業者……
レジを使用して日頃から軽減税率対象商品を販売しており、
将来にわたり継続的に販売するため
複数税率対応レジを導入等が必要な事業者が対象です。
一時的な販売は該当しません。
◎リースの場合……
リース(ファイナンスリースに限る)による
レジの導入等も補助対象となります。
なお、指定リース事業者との共同申請が必須です。
◎中古のレジを導入した場合……
登録中古販売事業者から導入した場合に限り対象となります。
◎既に複数税率対応レジを設置している場合……
そのレジの入替、改修等に係る費用は申請できません。
30年度税制改正において、
国内雇用者に対する給与等支給額を増加させた場合に
一定割合を税額控除できる所得拡大促進税制が改組され、
30年4月以降に開始される事業年度
(個人事業主は31年分)から適用要件等が変わりました。
◆中小企業向け制度の適用要件等
◎適用要件……
適用年度における「継続雇用者」の給与等支給額が、
前年度比で1.5%以上増加していることです。
なお、「継続雇用者」とは、
前事業年度から適用年度までの全ての月分で
給与等の支給を受けており、
全ての期間で雇用保険の一般被保険者
(高年齢者雇用安定法に定める継続雇用制度の対象者は除く)となっている方です。
前年度または適用年度の途中で採用された方などは該当しません。
◎税額控除額……
適用年度における「国内雇用者」の給与等支給額について、
前年度からの増加額の 15%を税額控除します。
ただし、
法人税額(個人事業主は所得税額)の20%が上限です。
なお、「国内雇用者」とは、
継続雇用者に限定しない全ての国内雇用者が該当します
(役員等は除く)。
◎上乗せ措置……
継続雇用者の給与等支給額が前年度比で2.5%以上増加しており、
かつ、次の①または②のいずれかを満たす場合、
税額控除額は前年度からの増加額の25%になります。
①適用年度の教育訓練費が前年度比で10%以上増加していること
②適用年度の終了までに
中小企業等経営強化法に基づく経営力向上計画の認定を受けており、
経営力向上が確実に行われていること
平成30年7月豪雨による災害救助法の適用地域は現在、
11府県106市町村(7月31日時点)
に拡大しています。
これに伴い、
中小企業・小規模事業者に対する資金繰り支援も拡充され、
直接被害を受けた事業者だけではなく、
間接的に被害を受けた事業者も対象となる制度もあります。
◎平成30年7月豪雨特別貸付(日本公庫)……
①災害救助法が適用された11府県において
直接被害を受けた事業者、
②直接被害事業者と直接取引があり
業況が悪化している事業者、
③①、②以外で
今般の豪雨により業況が悪化している事業者
(風評被害による影響を受けた事業者を含む)、
を対象に設備・運転資金を融資します。
◎小規模事業者経営改善資金(マル経融資)の拡充(日本公庫)……
マル経融資は、
商工会・商工会議所等による経営指導を受けた
小規模事業者に対して
無担保・無保証人融資を行う制度です。
今般の豪雨に伴い災害対応特枠
(別枠で1千万円)を措置し、
①災害救助法が適用された
11府県に所在する直接被害を受けた事業者、
②①の直接被害を受けた事業者と一定の取引があり、
間接的に被害を受けた事業者、を対象に融資を実施します。
◎小規模企業共済制度の特例災害時貸付の創設等(中小機構)……
特例災害時貸付を新たに措置し、
災害救助法適用地域内に所有する事業資産が
直接被害を受けた小規模企業共済契約者に対して、
無利子で最高2千万円まで融資します。
また、災害時貸付の適用対象を緩和し、
豪雨の影響により1ヵ月の売上高が前年同月比で
減少することが見込まれる
小規模企業共済の契約者に拡充します。
来月から高齢者の介護・医療保険制度について、
主に現役並み所得者に対する見直しが行われます。
◎介護保険利用者の負担割合の見直し……
介護サービスの利用者負担割合について、
65歳以上(第1号被保険者)で
現役並みの所得のある方は、3割に引上げられます。
3割負担になるのは、
①本人の合計所得金額が220万円以上、かつ
②同一世帯の65歳以上の
「年金収入+その他の合計所得金額」が
単身世帯340万円以上、
2人以上世帯463万円以上、となる方です。
なお、1ヵ月の負担額が4万4400円を超えた場合、
超えた金額は高額介護サービス費が支給されます。
◎70歳以上の高額療養費の上限額変更……
同月内に支払った医療費が一定の上限額
(自己負担限度額)を超えた場合、
その超えた額が払い戻される高額療養費制度について、
70歳以上の方の上限額(月ごと)が
次のように変わります。
*現役並み所得者(年収約370万円以上)について、
区分を3つに細分化した上で、
70歳未満と同様の所得に応じた限度額に引上げます。
また、「外来」の区分が無くなります。
*一般所得者(年収約156万円~370万円)について、
「外来」の上限額を1万8千円
(現行1万4千円)に引上げます。
◎高額介護合算療養費制度の見直し……
医療保険と介護保険における
1年間の自己負担の合算額が限度額を超えた場合に
支給される高額介護合算療養費制度について、
70歳以上の現役並み所得者
(年収約370万円以上)の方は、
区分を細分化した上で70歳未満と同様の限度額に引上げます。
今月22日に閉会した第196回通常国会において、
4月以降に成立した
企業に関係する主な改正法等は次のとおりです。
◎働き方改革関連法……
*時間外労働の上限について、
月45時間、年360時間を原則とし、
臨時的な特別な事情がある場合でも年720時間、
単月100時間未満、複数月平均80時間を限度に設定、
*月60時間を超える時間外労働に係る割増賃金率
(50%以上)について、
35年(2023年)4月から
中小企業への猶予措置を廃止、
*高度プロフェッショナル制度の創設、など。
◎健康増進法の改正……
受動喫煙の防止を図るため、学校や病院、行政機関などは
「敷地内禁煙(屋外の喫煙所設置は可)」、
事務所や飲食店などは
「原則屋内禁煙(喫煙室内での喫煙可)」とする。
ただし、
既存の飲食店のうち客席面積100㎡以下等の場合は
標識の掲示により喫煙可とする経過措置を設ける。
◎不正競争防止法の改正……
ID・パスワード等の管理を施した上で
事業として提供されるデータの不正取得・使用等を
新たに不正競争行為に位置づけ、
差止請求権等の民事上の措置を設ける。
◎工業標準化法の改正……
*標準化の対象に新たにデータ、
サービス等を追加し、
「日本工業規格(JIS)」を
「日本産業規格(JIS)」に変更、
*認証を受けずにJISマークの表示をした
法人等に対する罰金刑の上限を1億円に引上げる。
◎特許法の改正……
一部の中小企業が対象だった特許料等の軽減措置を、
全ての中小企業に拡充。
◎その他……
*商法(運送法・海商法)改正、
*環太平洋パートナーシップ協定関連法など。