事業承継税制は、
後継者が先代経営者から
相続又は贈与により
非上場株式を取得した場合、
一定要件を満たせば、
相続税は80%、
贈与税は全額を納税猶予する制度です
(議決権総数の2/3までが対象)。
◆29年度改正による主な見直し等は
同制度は、
年々使い勝手をよくするための
見直しが行われており、
例えば27年からは、
*親族外承継の対象化、
*雇用維持要件の緩和
(5年間平均で雇用の8割以上を維持)、
*贈与時の役員退任要件の緩和
(先代経営者は代表権を
有していなければ有給役員として残留可)、
などが実施されています。
29年度税制改正においても
以下のような見直しが行われ、
29年1月以後の相続又は
贈与から適用されます
(「雇用維持要件の計算方法の見直し」
については29年4月以後に適用)。
◎雇用維持要件の計算方法の見直し
(29年4月以後適用)……
納税猶予を続けるための
要件の一つである
雇用維持要件について、
5年間維持すべき従業員数の計算上
(従業員数×80%)、
1人未満の端数を切り捨てることになり、
従業員4人以下の企業で
1人減った場合でも納税猶予が続けられます。
◎相続時精算課税制度との併用が可能に……
同制度により贈与税の納税猶予の
適用を受ける場合でも、]
相続時精算課税制度が適用できるようになり、
要件を満たすことができずに
贈与税の納税猶予を
取り消された場合のリスクが低減できます。
◎災害等が発生した場合の要件緩和……
例えば、災害により
事業用資産の3割以上が
損壊した場合は、
後継者(相続人等)の要件のうち、
相続開始の直前において
会社の役員であることが免除されます。
29年度税制改正により、
配偶者控除・
配偶者特別控除
の見直しが行われ、
30年分以後の所得税について適用されます。
◆現行の配偶者控除・配偶者特別控除は
配偶者控除は現行、
納税者と生計を一にしており、
年間の合計所得金額が38万円以下
(給与収入のみの場合は103万円以下)
である等の要件を満たす
配偶者がいる場合に、
納税者は38万円
(配偶者が70歳以上の場合は48万円)
の所得控除が受けられます。
また、配偶者の合計所得金額が
38万円を超える場合でも
76万円未満(給与収入141万円未満)
であれば配偶者特別控除を適用でき、
配偶者の所得金額に応じた
控除額(38万円~3万円)が受けられます。
ただし、
納税者の所得金額が1千万円超
(給与収入1220万円超)の場合、
配偶者特別控除の適用はできません。
◆配偶者の給与収入201万円まで控除対象に
改正により、
配偶者特別控除の対象となる
配偶者の所得金額は
38万円超123万円以下
(給与収入201万円以下)となり、
85万円以下(給与収入150万円以下)は
控除額38万円の対象となります。
ただし、納税者本人に
所得制限が設けられ、
所得金額が900万円
(給与収入1120万円)を
超える場合は控除額が逓減し、
1千万円(給与収入1220万円)
を超えた場合、
配偶者控除等は適用できません。
例えば、配偶者の所得金額が
85万円以下の場合に、
納税者の所得金額が
900万円以下であれば
控除額は38万円となりますが、
900万円超950万円以下は26万円、
950万円超1千万円以下は13万円
が控除額となります。
29年度税制改正において、
雇用者の給与等支給額を
増加させた場合に税額控除できる
「所得拡大促進税制」が見直され、
前年度比2%以上の賃上げを行う企業に
対する拡充等が行われました。
◆所得拡大促進税制を適用するための要件は
同制度は、次の①~③の要件を
全て満たす場合に適用でき、
基準事業年度(通常24年度)からの
給与等支給増加額の
10%が税額控除されるものです。
ただし、法人税額の20%
(大企業は10%)が
控除額の限度となります。
①給与等支給総額が
基準事業年度(24年度)と比べ、
3%(大企業は29年度から5%)
以上増加している。
②給与等支給総額が前事業年度以上である。
③平均給与等支給額が
前事業年度を超えている
(大企業は29年度から
「前年度比2%以上増加」)。
◆29年度改正による拡充等の内容は
中小企業については、29年度改正により、
上記の要件を満たした上で、
③の平均給与等支給額が
前年度比2%以上増加している場合に、
これまでの税額控除
(24年度からの
給与等支給増加額の10%)に加えて、
前年度からの給与等支給増加額分に
対しては22%(12%上乗せ)が
税額控除できます。
なお、③が前年度比2%未満の
増加である場合は、
従来どおり10%の税額控除となります。
一方、大企業については、
③の要件自体を29年度から
「前年度比2%以上増加」に見直した上で、
前年度からの給与等支給増加額分に
対しては12%(2%上乗せ)が
税額控除できます。
これらの改正は、
29年4月以後に開始する
事業年度から適用されます。